一眼レフやミラーレスばかりがカメラではありません。CP+では海外メーカーブースを中心に、全天球カメラやドローン、アクションカム、スタビライザーなどが注目を集めていました。ここでは、会場で見かけたそれらの次世代カメラを中心に紹介したいと思います。

全天球カメラといえば、リコーの「THETA」(シータ)シリーズが代表的な存在です。今回のCP+では、久々の新製品であるフラグシップモデル「THETA Z1」が展示されています。1インチの裏面照射型CMOSセンサーを2基搭載しており、1/2.3インチセンサーの従来モデルと比べて大幅な高画質化を図りました。これまでのTHETAでは画質の不満を感じていたユーザーには、特に注目の全天球カメラといえます。

  • 1インチの裏面照射型CMOSセンサーを2基搭載するプロ仕様の高画質モデル「THETA Z1」。RAWフォーマットでの撮影も可能になり、より高精細で美しい全天球撮影が楽しめます

ドローンで有名な中国DJIは、同社が得意とするジンバル(スタビライザー、ぶれ抑制装置)を搭載した小型動画カメラ「Osmo Pocket」を展示して人気を集めていました。歩きながらの撮影でも、不快な揺れやぶれをしっかり補正して記録できるのが特徴。さらに、手のひらサイズのコンパクトボディーに仕上がっているのも本機の特徴で、カメラを持っていない若年層にも注目されています。

  • DJIの「Osmo Pocket」。1/2.3インチのCMOSセンサーを搭載するカメラを3軸ジンバルを介してボディーに載せ、撮影時のぶれや揺れを抑制する仕組みです。液晶モニターは1インチと小さめ

  • Osmo Pocketは、その名のとおりポケットに入る小ささ。厚みも抑えられており、ワイシャツなどの胸ポケットに入れても邪魔になりません。重さは約116g

同じDJIのブースには、民生用ドローン「Mavic 2」シリーズも展示されていました。1/2.3インチCMOSセンサー+光学2倍ズームレンズを搭載した「Mavic 2 Zoom」と、1インチ裏面照射型SMOSセンサーと単焦点レンズを搭載した「Mavic 2 Pro」の2機種です。前者は「ドリーズーム」などの特殊な撮影効果が楽しめ、後者は大型のイメージセンサーで写真愛好家も納得の写りが得られます。“空飛ぶカメラ”として存在感を高めたシリーズといえます。

  • 前がMavic 2 Zoom、後方がMavic 2 Proとなります。いずれも安全飛行のための機能が多く搭載されており、特に障害物センサーは前後左右および上下の6方向に備わっています

手持ちのスマートフォンやデジタル一眼を装着して撮影時のぶれや揺れを抑制するスタビライザーは、中国系のメーカーが多彩な製品を展示していました。「Ronin 2」をリリースするDJIのほかに、ZHIYUNやFEIYUTECHがブースを構えていました。

ZHIYUNは、スマートフォンからミラーレス、さらにプロ用の本格派モデルまで、スタビライザーを専門にリリースするメーカーです。会場での注目はスマートフォン用で、特にホワイトカラーの製品が女性の注目を浴びていました。

  • ZHIYUNのスマートフォン用スタビライザー「SMOOTH 4」。ジンバルは3軸タイプとしています。ハンドホイールが備わっており、ズームなどスムーズな操作が可能

  • 同じくZHIYUNのデジタル一眼用のスタビライザー「CRANE 2」です。こちらもハンドホイールを備えており、対応するカメラならばフォローフォーカスが可能

FEIYUTECHもジンバルを専業とするメーカーで、こちらもスマートフォン用から一眼レフ用まで幅広い製品をアピールしていました。

  • FEIYUTECHのミラーレス用スタビライザー「AK2000」。本格的なプロ仕様のミラーレス用スタビライザーとなります。上位モデルとして、よりパワフルな「AK4000」もラインアップします

FEIYUTECHのもうひとつの注目は、「RICCA」と名付けられたアクションカメラ。防塵防滴のアルミ製ボディーを持ち、タッチ式のディスプレイを搭載するなど、操作性にこだわったモデルとなっています。いまやアクションカメラでは必携となった電子式のブレ補正機能を搭載しているほか、底部には三脚ネジ穴を装備し、装着方法を選びません。発売に向けて現在調整中のため、価格や発売時期などは未定とのことです。とはいえ、GoProの「HERO7 Black」の対抗となる高性能モデルして期待できるアクションカメラのように思えました。

  • FEIYUTECHのアクションカメラ「RICCA」。写真は12MP、動画は4K/30pの撮影が可能です。現在、発売に向けて機能の調整を行っているそうで、発売時期や価格は未定となっています

  • 三脚や雲台の評価が高いSIRUIのスマートフォン用単軸スタビライザー「ES-01」。自動的に水平を維持します。スマートフォンの装着が簡単で、Bluetoothにより自撮りなどの撮影も楽しめます

デジタルになり、そしてミラーレスの登場により、写真と動画の垣根がたいへん低くなりました。次世代カメラと言われるものは、ほぼどちらも撮れるものと述べてよいでしょう。このジャンル、今後も大いに注目です。