iPhone 8以降のモデルには、標準でワイヤレス充電機能が装備されています。ワイヤレスといっても、Bluetoothイヤホンのように数メートルも間をおけるわけではなく、ワイヤレス充電器の上に置く必要がありますが、ケーブルでつなぐ必要はありません。帰宅後や就寝前、決まった場所にiPhoneを置く習慣さえ身につければ、外出直前にバッテリー切れに気付き大慌て、といった事態は防げます。
そのワイヤレス充電ですが、いくつかの約束事があります。まずひとつは、Qi(チー)規格に準拠した充電器を利用すること。Qiはワイヤレス充電のオープンな国際標準規格で、各社から対応充電器が発売されています。現在一般消費者向けに販売されているワイヤレス充電器は、大半がQi準拠で設計されていますが、念のため確認しましょう。
もうひとつは、iPhoneを覆うケース/カバーを外すか、ワイヤレス充電対応の素材に変更すること。Qiが採用する電磁誘導方式は、給電側(充電器)のコイルに電気を流すと発する磁界が受電側(iPhone)のコイルにも電流を生じさせることで充電を可能にしますが、Lightningケーブルを利用する接触型の充電に比べると伝送ロスがあります。そのため、ケースやカバーといった電磁波を低減させてしまう素材は、基本的にiPhoneと充電器の間にはさむべきではないのです。
コイルが向かい合わせになるようiPhoneを置くことも重要なポイントです。iPhoneの充電用コイルは背面に近い部分、リンゴマークのLightning端子寄りに埋め込まれているので、iPhoneを仰向け(ディスプレイを上)にして置かなければなりません。
もうひとつ、ワイヤレス充電は振動/衝撃に敏感です。不安定な場所に充電器を設置していると、なにかの拍子にiPhoneが動いてしまう可能性があります。向かい合わせにしたコイルの位置がズレると、充電がストップしかねません。電話の着信や通知を知らせるバイブレーションもズレの原因になるため、ワイヤレス充電中はおやすみモードをオンにするなど工夫しましょう。