「Nokia」ブランドで携帯電話を提供するHMD Global、2018年のMWCでは”バナナフォン”こと「Nokia 8110」を復活させるなど、懐かしさが話題を呼びました。
今年は路線変更、本格勝負に出ています――なんと”PureView”ブランドを復活させただけでなく、一気に5眼です。例年通り、Nokiaのブース内にあるHMDのブースで「Nokia 9 PureView」を触ってみました。
PureViewが5眼になって戻ってきた!
PureViewといえば、今から実に7年前のMobile World CongressでNokiaが発表した、ハイスペックなカメラを特徴とするブランドです。
当時はSymbian OSをベースとしてたのも懐かしいですね。今でこそインスタやセルフィーに欠かせないスマートフォンのカメラですが、NokiaはすでにSymbian時代にカメラの出荷台数で世界最大を誇っていました。
今回登場したNokia 9 PureViewは「Android 9 Pie」を採用した「Android One」で、2年間アップデート、セキュリティアップデートは3年間となっています。
ネットワークはLTEに対応しており、CPUはQualcomm Snapdragon 845、RAMは6GB、ストレージは128GB。画面は5.99インチでアスペクト比18:9。バッテリー容量は3,320mAhで、ワイヤレス充電(Qi方式)も可能です。IP67の防水もサポートしています。
背面カメラはモノクロ3つ、カラー2つ
5つのカメラは、いずれも12メガピクセル(F1.8)。背面には7つの”丸”がありますが、そのうち中央上2つがRGB(カラー)カメラ、下側にある横3つがモノクロカメラで、左上の1つがフラッシュです。
最後の1つ、右上にある黒い丸はToF Depth(深度)センサーです。白黒カメラを3つ用意したのは、白黒は光のキャプチャが3倍近く優れるから。Nokia 9 PureViewでは全カメラを合計すると約10倍の光をキャプチャできるそうです。
フロント側にも20メガピクセルカメラが備えられ、顔認証で画面をアンロックできます。なお、画面に指紋センサーも統合されているそうです。
5カメラの情報を統合、後から編集も可能
ブースのスタッフによると、「重要なのはカメラの台数ではなく、5台のカメラが”アレイ”として同時に撮影する点」と言います。
撮影ボタンを押すと5台のカメラがそれぞれ撮影し、それぞれの画像情報を処理して1枚の写真に集約していきます。これにより感度が大きく改善するとのことです。深度データは1200レイヤー。このため、写真を撮った後から、撮影した写真の光、色、深度などを調整できます。
写真データはRAWファイルかJPEGかを設定でき、RAWファイルにした場合はスマートフォン上でアプリ「Adobe Photoshop Lightroom」などを使って編集ができます。
発売は3月中! 価格は699ドル
フロントとバックはGorilla Glass 5を使用、フレームは6000番台のアルミニウムを採用しています。厚さは8ミリを実現。カメラ部分は出っ張っておらず、持った感じも違和感ありません。microSDスロットはなく、ヘッドホンジャックもありません。
Nokia 9 PureViewの予想価格は699ドル(約78,000円)で、3月中にグローバルで提供されます(日本発売は未定)。色はミッドナイトブルーのみ。