VAIO SX14はパフォーマンスも重要な要素とVAIOは訴求していますが、そのポイントは搭載するCPUやストレージ接続インタフェースだけではありません。あ、もちろんCPUは第8世代Coreプロセッサで、ストレージインタフェースはM.2のPCI Express接続であったりしますが、VAIO SX14でいうところのパフォーマンスの訴求は、VAIOが独自に開発した性能維持ツール「VAIO TruePerformance」でしょう。
VAIO TruePerformanceとは?
VAIO TruePerformanceをざっくりと説明すると、Coreシリーズが実装しているTurbo Boost Technologyで、Turboがかかった状態でより高い動作クロックを維持する技術です。これにより、実質的な処理能力を高められます。
Turbo Boost Technologyでは、CPU温度の高さによって、Turbo Boost状態でも動作クロックを最速状態から下げたレベルに抑えてしまいます。VAIO TruePerformanceでは、“下がった状態の動作クロック”を高めに維持し、冷却効果の高いクーラーユニットを搭載しています(その他にも、もともとCPUに設定してある「温度と動作クロックの関係」をVAIOが独自に変更しなおしたり、高い動作クロックを維持できるようにCPUに電力を供給する回路を耐久性の高い構造にしたりと、手のかかる改良を施しています)。
高パフォーマンスと冷却機構に”心意気”
VAIO TruePerformanceは2018年1月に登場した第8世代Coreプロセッサ(Kaby Lake R世代)搭載モデルから導入しています。しかし、VAIO SX14に導入したVAIO TurePerformanceでは、搭載するCPUが従来と同じ第8世代ながらアーキテクチャがより新しいWhiskey Lakeに変わっています。
このため、Turbo Boost有効時の発熱量が(前モデルより)25%増えたことから、より冷却効果の高いクーラーユニットを実装することで、“下がった状態の動作クロック”を高めに維持することが可能になっています。
VAIOの説明によると、クーラーユニットに施した改良点として、ボディ内部のエアフローを増やしたり、排気口スポンジの材質を改良したり、ヒートパイプを強化(材質を銅にしてコンマ数ミリ太くする)したりと、とても細かい作業を挙げています。
このような「独自の技術でパフォーマンスを改善していく」という取り組みも、この記事の冒頭で「VAIOブランドとしての“心意気”はいまだ健在」と書いてしまう理由の1つであったりするのです。
性能をベンチマークでチェック
そのVAIO SX14の処理能力をベンチマークテストで確かめてみました。今回評価に用いた機材の構成は次の通りです。
- 製品名:VAIO SX14 ALL BLACK EDITION
- CPU:Intel Core i7-8565U(1.80GHz)
- メモリ:8GB
- ストレージ:256GB M.2(PCIe NVMe) SSD
- 光学ドライブ:なし
- グラフィックス:Intel HD Graphics 620(CPU内蔵)
- ディスプレイ:14型(3,840×2,160ドット)非光沢
- ネットワーク:10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T対応有線LAN(アダプタで対応)、IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 4.1
- サイズ/重量:W320.4×D222.7×H15.0~17.9mm / 約1,025g
- OS:Windows 10 Home 64bit
この構成でバッテリー設定をパフォーマンス優先のバランスに設定し、ディスプレイ輝度を10段階あるうちの下から6レベルにして測定したベンチマークテストの結果は次の通りでした。
ベンチマーク1:全体、CPU、グラフィックス
- PCMark 10 Essentials:7270
- PCMark 10 Productivity:5038
- 3DMark Night Raid:5287
- ファイナルファンタジーXIV紅蓮のリベレーター:2831(やや快適)
- CINEBENCH R15 CPU:636 cb
- CINEBENCH R15 CPU(Single Core):173 cb
ベンチマーク2:(CrystalDiskMark 6.0.2)
- Seq Q32T1 Read:3465.1MB/s
- Seq Q32T1 Write:1516.0MB/s
- 4KiB Q8T8 Read:564.3MB/s
- 4KiB Q8T8 Write:1321.9MB/s
- 4KiB Q32T1 Read:376.8MB/s
- 4KiB Q32T1 Write:293.6MB/s
- 4KiB Q1T1 Read:42.80MB/s
- 4KiB Q1T1 Write:131.2MB/s
BBENCHと充電時間
- BBENCH 1.0.1:4時間30分17秒
- 30分間充電:満充電から28%