VAIOというと、以前は「SonyのVAIO」もしくは「AppleのMacintoshかWindowsのVAIOか」と(思いっきり“正しくない”文言だがそれはおいといて)、PCの機能や性能ではなく、VAIOという名称と、その名称が持つイメージで選ぶユーザーがいた数少ないブランドでした。
そのVAIOから「Sonyの」がとれて、法人向けにも注力するようになりましたが、それでも本社を構える安曇野で開発と生産を続け、「ALL BLACK EDITION」といったパフォーマンス・デザイン志向のモデルを継続。VAIOブランドとしての“心意気”はいまだ健在、と個人的には思っていたりします。
そのVAIOが投入する新モデルとして、2in1 PC「VAIO A12」(2018年10月発表)に続き、今回評価するクラムシェルスタイルのノートPC「VAIO SX14」(2019年1月発表)が登場しました。
VAIO SX14は、これまでのVAIOでモバイルPCラインナップを構成してきた「VAIO S」の流れを汲むモデル。全体のデザインも、キーボートを組み込んだ本体部分がディスプレイ部分を開くと浮き上がってチルド角を形成する仕組みも、13.3型ノート「VAIO S13」、11.6型ノート「VAIO S11」と共通します。
14型でも1kg以下、コンパクトで軽量に
VAIO SX14は、その製品名にもあるように14型ディスプレイを搭載したのがまず大きな変化といえます。
ただし、単にVAIO S13の拡大版というわけではありません。VAIOはVAIO SX14で「VAIO S13のボディに14型ディスプレイを搭載した」と、大画面にもかかわらずコンパクトなボディを実現したことを訴求しています。
VAIO SX14のボディサイズは幅320.4×奥行き222.7×高さ15.0~17.9mm。これをVAIO S13の幅320.4×奥行き216.6×高さ15.0~17.9mmと比較すると、奥行きが6.1mm増えただけで幅と高さは同じになります。
加えて重さも、VAIO SX14では最小構成時で999gと、1kgを切ります。これは、VAIO S13の第8世代Coreプロセッサ搭載モデルの重さ1.07kgよりも軽いのです(VAIO SX14の無線WANモデルでも1.018kgと、こちらもVAIO S13より軽い)。
天板はおなじみのカーボン。新構造でより堅牢に
VAIO S13より大きなディスプレイを搭載してVAIO S13より軽い、となると不安になるのが本体の強度。薄くても軽くても小さくても持ち歩くモバイルノートPCなのに華奢なボディでは扱いにくくて困ります。
VAIO SX14では、天板にUD(Uni Directional:単一方向性)カーボン素材を採用してボディ強度を確保しています。VAIOでは同じ強度を確保できるマグネシウム合金を用いたパネルと比べて30%の軽量化を実現できると説明しています。