フルサイズミラーレスで高いシェアを獲得しているソニーが、最上位フルサイズミラーレスを超えるオートフォーカス性能を盛り込んだAPS-Cミラーレスを10万円台前半の価格で投入します。

ソニーが1月16日に発表した新製品「α6400」は、動く被写体にピントを合わせ続ける機能を強化した高性能APS-Cミラーレス。AIを用いた高精度な被写体認識機能をもとに、複雑な動きをする被写体にピントを合わせ続ける「リアルタイムトラッキング機能」を追加したのが特徴です。写真撮影時だけでなく、4K動画撮影時でもスムーズで高速なピント合わせが可能になります。

  • APS-Cミラーレスの新モデル「α6400」。ボディカラーはブラック(左)とシルバー(右)の2色を用意する(高倍率ズームレンズキットはブラックのみ)

人物の瞳にピントを合わせる「リアルタイム瞳AF」は、精度や速度を向上させるとともに、シャッターボタンを半押しするだけで瞳を検出して追い続けるようになりました。ピントを合わせる瞳は、右目と左目のどちらかを任意に選ぶこともできます。夏ごろに予定しているファームウエアのアップデートにより、猫や犬などの動物の瞳にもピントを合わせ続けられるようになります。

リアルタイムトラッキング機能と改良版のリアルタイム瞳AF機能の搭載により、オートフォーカスの追従性能はフルサイズの最上位モデル「α9」を超えた部分もある、といえるほどです。

  • シャッターを半押ししている間、瞳AF機能が作動。人物が大きく動いても粘り強く瞳にピントを合わせ続け、どちらの目にピントを合わせるかも指定できる

シャッターを半押ししているところ。瞳AFが働き、しつこいぐらいに瞳にピントを合わせ続けているのが分かる

オートフォーカスの速度は0.02秒で、APS-C型のセンサーを搭載したデジタル一眼では最速としています。AF/AE追従時の連写速度は最高11コマ/秒と高速。感度はISO100~32000で、拡張時はISO102400まで対応します。価格を優先するため、ボディ内手ぶれ補正機構は省かれました。

背面液晶は、新たに自分撮り対応の180度チルト式を採用します。液晶はタッチパネルになっており、画面タッチによるピント合わせにも対応します。

  • 基本的なボディ形状は、既存のα6300とほぼ同等だ

  • 背面液晶が自分撮り対応の180度チルト式になったのが従来モデルにはない改良ポイントだ

  • EVF(電子ビューファインダー)のアイカップを外さなくても自分撮りできる

製品のラインアップと実売価格は以下の通りです。発売日は2月22日。

製品名 予想実売価格
α6400 ボディ(ILCE-6400) 税別11万円前後
α6400 パワーズームレンズキット(ILCE-6400L) 税別12万円前後
α6400 ダブルズームレンズキット(ILCE-6400Y) 税別14万円前後
α6400 高倍率ズームレンズキット(ILCE-6400M) 税別15万円前後

2月22日~5月6日までの間、キャッシュバックキャンペーン「【α6400発売記念】αスタートアップ スプリングキャンペーン」を実施します。キャッシュバック金額は、ダブルズームレンズキットと高倍率ズームレンズキットがそれぞれ2万円、ボディとパワーズームレンズキットが1万5000円。

新機能は既存のフルサイズ機にも適用される

α6400で盛り込まれたリアルタイムトラッキング機能や改良版の瞳AF機能、瞳AF機能の動物への対応は、ファームウエアのアップデートによりα9やα7 III、α7R IIIにも春以降に搭載されます(リアルタイムトラッキング機能はα9のみ)。

  • α9でも、動き回る被写体にピントを合わせ続けるリアルタイムトラッキング機能や改良版の瞳AF機能が利用できるようになる

  • 既存モデルのファームウエアのアップデート予定。α9は2回に分けてアップデートを実施する。ベストセラーのα7 IIIも機能が大幅に強化されるのは注目だ