米AppleのTim Cook氏 (CEO: 最高経営責任者)が、2019年に同社が新しいサービスを発表することを明らかにした。米国時間の8日にCNBCの「Mad Money」がCook氏の独占インタビューを公開、その中で言及した。
インタビューでCook氏は、中国経済の減速や米中貿易摩擦、iPhoneへの警戒感を高めるウォールストリートの反応、長期的な視点に基づいたAppleの取り組み、Qualcommとの法廷闘争、サービスやウェアラブルの成長などについてホストのJim Cramer氏と語った。
新たに発表するサービスについてCook氏は「今年新しいサービスの発表をご覧いただけるでしょう」と述べ、「Appleがこれまで数年にわたって取り組んできた」という成果に自信を示し、そして「時間とともに重要性が認識されるはずです」とつけ加えた。だが、サービスの内容や発表時期には一切触れなかった。
Cook氏が新サービスの発表を明かしたのは、Cramer氏がヘルスケアやモバイルペイメントなど既存のサービスに関して、サービスをより厚く、人々にとってより有用なものに拡充する可能性について質問した時だった。Appleの新サービスについては、Netflixのような動画コンテンツ配信サービス、雑誌のサブスクリプション型サービス、Amazon PrimeのようなAppleが提供するサービスをパッケージにしたサービスなどが噂されている。インタビューの発言では、噂されるサービスのいずれも可能性があり、さらにバンキングのような新しいサービスを開始する可能性すら考えられる。
ヒントの1つになるのが、インタビューを通してCook氏が、Appleのビジネスは「人々の暮らしを豊かに」し、そして「素晴らしい価値を提供する」と繰り返していたこと。例えば、中国系メーカーの低価格競争に関して、人々を豊かにする素晴らしい価値が「最安値である必要はありません」と指摘した。そうした考えは、新しいサービスの提供にも通底しそうだ。
インタビューの最後にCook氏はヘルスケアの取り組みについてコメントしている。AppleはApple Watchを通じて人々が体について知ることを身近にし、またResearchKitやCareKitを提供するなど、ヘルスケアや医療のテクノロジーのデモクラタイズを推進している。ヘルスケアは人々の暮らしを豊かにするというAppleのビジネスに適った分野であり、未来に人々が過去をふり返って「Appleが最も人類に貢献したことは何か?」と考えたら、答えは「ヘルスになる」と、Cook氏はその重要性を説いた。