TARAH PROの発売時期と価格

ロジクールが取り扱うアメリカのスポーツイヤホンのブランド、Jaybird(ジェイバード)から長距離ランニングに仕様を最適化したワイヤレスイヤホン「TARAH PRO(タラ プロ)」が登場しました。12月から順次発売されます。

  • ランニングシーンに最適化したBluetoothワイヤレスイヤホン「TARAH PRO」

価格はオープンですが、売価は20,000円を切ると想定されます。カラーバリエーションはブラック・フラッシュ、ミネラルブルー・ジェイド、チタン・グレーシャーの3色。ブラックが12月6日から先行発売され、その他のカラバリは2019年1月以降のリリースを予定しています。

ちょっと変わったネーミング「TARAH=タラ」の由来は長距離走の能力に長けていると言われるメキシコ北西部の先住民族・タラウマラに由来しています。製品のコンセプトにマッチするということで名付けられました。ベーシックモデルのワイヤレスイヤホン「TARAH」も10月から好評発売中です。

  • TARAH PROのカラバリは3色。ブラック・フラッシュ、ミネラルブルー・ジェイド、チタン・グレーシャーが揃っています

フルマラソンを想定した設計

TARAH PROはJaybirdがランナーと一緒に、スポーツシーンでベストな使い心地で音楽を楽しめるように開発されたというイヤホンです。快適な装着感、優れた防汗・防水仕様、リスニングシーンに合わせてアプリから好みのサウンドに調整できるカスタマイズ性の高さを特長としています。

内蔵バッテリーはTARAHよりも大型化。2時間のフル充電で14時間の連続再生に対応します。本格的な100kmを走るウルトラマラソン(※)の一般的な完走関門タイムが13~14時間であることから最適化された容量なのだとか。5分間のスピードチャージでおよそ2時間ぶんのリスニングが楽しめるので、例えばジムでのトレーニング中にバッテリーが切れそうなことに気がついたら、更衣室で充電しておけば帰り道のリスニングも安心です。

密閉型のハウジングに6mm口径のドライバーを内蔵。体を動かしながら楽しむ音楽リスニングに最適なクリアで力強いサウンドが持ち味です。BluetoothオーディオのコーデックはSBCのみの対応です。

※(11月9日修正)初出時「42.195kmを走るフルマラソン」としておりましたが、正しくは現在の記述となります

IPX7対応の防水仕様、装着性にも一工夫

本体はJaybirdの製品としては10月に発売されたワイヤレスイヤホン「X4」「TARAH」に続くIPX7対応の防水仕様。塩分や油分を含む汗に強い耐性を持たせた独自設計です。

新開発のイヤーチップ「イヤージェル」は3つのサイズを同梱。イヤーチップとフィン状のスタビライザーが一体になったデザインなので、着脱がスムーズにできます。シリコン素材にジェルを含ませることで、柔らかく自然なフィット感が得られます。

  • パッケージに同梱される付属品一式

  • 弾力感のあるジェル素材を組み合わせたイヤーチップとフィンが一緒になったイヤージェル

ケーブルの長さは首の後ろ側にまわして身に付けた時にブラつかないよう、短めにしてフィット感を重視しました。左右のバランスを絞って調節できるようインラインにはスピードシンチも付けています。体に擦れて発生するタッチノイズを軽減できるように被覆はファブリック素材として、さらに反射素材を織り込んでいるのでルックスもスタイリッシュになりました。暗い場所でも安全にランニングが楽しめそうです。

ハウジングを回転させてケーブルの角度を変えれば、装着スタイルを好みに合わせて一般的なアンダーイヤーと耳に掛けるオーバーイヤーから選べる「スイッチフィット」機能に対応。ハウジングを背中合わせにするとマグネットでピタリとくっつくので、ペンダントのように首からぶら下げられます。ハウジングどうしが装着されると自動的に電源がオフになるバッテリーセーブにも対応しています。

本体に搭載するマイク付きリモコンは、イヤホンを体に装着した時に耳の裏側のラインにピタリと沿うようにカーブを付けています。充電にはパッケージに同梱される独自のアダプターを使用します。

  • 特殊な形状のバッテリーチャージャーを採用

  • スピードシンチを使ってケーブルのぶらつきを抑えて左右の長さも調節できます

  • ノズルにアクセントカラーを配置

  • リモコンの形状は耳の後ろ側に沿うようにカーブをつけています

  • ハウジングの背中に配置したマグネットを装着してペンダントのようにして身につけられます

  • 耳の後ろ側にかけて装着するスタイルが選べます

アプリでカスタムセッティングも

スマホアプリ「Jaybird」とイヤホンを接続すると、ビジュアルイコライザーによる音質のカスタマイズも楽しめます。アプリにはプロのアスリートが提供するイコライザーのプリセットや、ユーザーが作成してアップロードしているプリセットなどが公開されています。

ユーザーは好みのセッティングを自分の端末にダウンロードして楽しむこともできます。好みのセッティング1件はイヤホン本体に保存されるので、毎度アプリを立ち上げて設定を変える必要はありません。Jaybirdアプリ内でSpotifyと連携させると、スポーツシーンに最適なプレイリストを探して手軽に利用できます。ほかにもソフトウェア更新により、アプリには新機能が追加される予定です。

  • リモコンを使うと音楽再生とハンズフリー通話のたいていの操作がまかなえます

プロランナーが語る使用感

8日に開催された新製品発表会には、ゲストとして二人のアスリートが参加しました。マラソンランナーの川内鮮輝(よしき)さんと、マラソン/トレイル/スカイランナーの吉住友里さんです。ふたりが日々のトレーニングと音楽の上手な活用術と、プロのランナーとしてTARAH PROを使った感想を語りました。

  • 発表会のゲストとして登壇した川内鮮輝(よしき)さん(左)と、吉住友里さん(右)

日常生活の大半を走って過ごしているという川内さんは「疲れてくるとトレーニングが億劫になることも。そういう時に元気をもらうために音楽を聴きます。レース結果が芳しくなかった時にも、走った後に音楽を聴くともう一度前向きになれます。アウトドアランニングの時には四季の風景、昼夜の移り変わりに合わせて音楽を側に置くと気持ちが高まります」と語っていました。川内さんはこの秋冬にはフルマラソンにも出場予定。目標タイムは2時間15分を切ること。「このスピードを活かしてぜひ来年のサロマ湖マラソンを目指してトレーニングを積みたい」と意気込んでいます。

THARA PROのインプレッションについては「ランニング中にバッテリーが切れる心配がないことが魅力的です。そして今まで使ってきたイヤホンの中でも群を抜いて音が良いと思います」と太鼓判を押しています。

吉住さんは山道など大自然の中をハイスピードで走り抜けるトレイルランニングのエキスパートです。陸上経験ゼロから2007年に競技生活を始めて、いまはプロとして活躍されています。週末は日本全国各所に移動しながら競技や仕事に明け暮れる日々。長時間の移動時にはよくイヤホンで音楽を聴いているそうです。「疲れている時に音楽を聴いて癒されたり、レース前には元気の出る音楽を聴いて気持ちを高めています」と吉住さん。

ひたすら山を走って登りつづける「スカイランニング」の世界選手権が今年スコットランドで開催され、吉住さんも出場したものの「力が出しきれずに後悔している」とのこと。隔年開催の大会は次回は2020年に行われますが「そこで表彰台に上がれるように2年間がんばりたい」と目標を宣言していました。

THARA PROの印象はやはり「とても音が良かったこと」が印象に深く残ったそうですが、屋外でのトレーニングも多い吉住さんは「どんな天候下でもイヤホンの故障を気にせずに走れるIPX7防水対応が心強いですね」とも語っていました。

体を動かしている最中だけでなく、レースに至るまでのトレーニングの過程でも音楽がアスリートの成績向上に果たしている役割は大きいようです。ぜひ参考にしながらTARAH PROを使いこなしたいですね。