本体に内蔵するバッテリーは、ノイズキャンセリングON時のBluetooth再生が約30時間というところで長いことは確かなのですが、XM2と変わっていないじゃないかという指摘もありそうです。でも、ノイズキャンセリング性能が4倍になって、同じ消費電力をキープできていることに注目しましょう。

実は、バッテリーは急速充電機能の使い勝手が良くなっています。1.5A以上の充電電流容量を持つバッテリーチャージャーを使って、XM2は10分で約70分のリスニングぶんの充電ができましたが、XM3では10分で約5時間ぶんの急速充電に対応しています。朝の忙しい通勤時間帯に重宝する機能です。

  • ソニー「WH-1000XM3」新旧比較レビュー

    右側がスリムになったXM3のヘッドバンド。質量は約20gほど軽くなっています

XM3は、XM2に比べて約20gも軽くなっています。手に持つだけで違いはわからないかもしれませんが、頭に装着してみると負担が軽くなったことにすぐ気づくはずです。イヤーパッドはどちらも柔らかいことに変わりないのですが、新しいXM3のイヤーパッドを身に着けてみると、跳ね返りがマイルドになったように感じました。耳を優しく包み込むような感覚が得られるので、飛行機に乗るときなど、長時間装着していてもストレスなく過ごせそうです。

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    左側がXM3、右側がXM2。見た目にはわからないかもしれませんが、イヤーパッドの弾力感が変わって長い時間装着しやすくなっています

本体の軽量化は、ヘッドバンドを細身にしたり、イヤーカップの中に詰まっているさまざまなパーツ単位で軽量化というように、いっそうの軽さを徹底的に追求しています。そしてXM3では、頭部に装着したときにヘッドホンがく目立って見えないように、ヘッドバンドの曲げ率を2段階に変えています。

ヘッドバンドと頭との間に無駄な空間ができず、頭のラインに対してヘッドホンがピタリとフィット。ヘッドホンに“被られてる感”がなくなるので、女性の音楽ファンも一段と1000Xシリーズのヘッドホンが選びやすくなりそうです。

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    ふたつのヘッドホンのシェイプを比較すると、左側のXM3はヘッドバンドの曲げ率を2段階に設定して、バンドがすっきりと頭にフィットする形状に変更されています

そしてBluetoothオーディオ機器を使うときについて回る、煩わしい「ペアリング」の負担が最新モデルのXM3ではさらに減っています。スマホにヘッドホンを近づけるだけで、簡単ペアリングができるようになりました。

Android/iOS対応のスマホに専用アプリ「Sony Headphones Connect」をインストールして起動し、XM3の電源ボタンを長押ししてペアリングモードに入ります。それからスマホとXM3を近づけると、スマホがXM3(Bluetoothの位置情報)を自動的にキャッチ。

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    WM-1000XM2から対応している専用アプリ「Sony Headphones Connect」

あとはアプリの画面に表示されるヘッドホンのイメージをタップして、ペアリング登録を完了するだけ。もともとNFC機能も搭載されているので、特にAndroidスマホのユーザーにとっては、シンプルに扱える多機能ヘッドホンであるといえます。

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    「Sony Headphones Connect」に新しく加わったワンタッチペアリングの機能。アプリを立ち上げた状態で電源を入れたヘッドホンを近づけると、自動的にペアリングが始まります