ライカ、パナソニックとフルサイズミラーレスカメラの新規格といえる「Lマウント」での協業を発表したシグマ。その興奮も冷めやらないうちに、別会場で山木和人社長が壇上に立ち、記者向けの説明会を実施しました。

  • シグマの山木社長が説明会に登壇

まず発表したのが、5本もの新しい交換レンズです。いずれも、シグマらしい独創性あふれるレンズばかりで、写真ファンの注目を集めそうだと感じました。詳細は「シグマが5本の交換レンズを発表、60-600mmの高倍率ズームも」で掲載しているので、そちらも参照してください。

  • 5本の新しい交換レンズを発表。28mm F1.4 DG HSM(中央)は、小型ながらニコンやカールツァイスの同スペックの交換レンズと比べて同等以上の描写性能を持つ高画質レンズだと説明

  • 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSMは、10倍ものズーム比を持つこれまでにないフルサイズ対応の高倍率ズームレンズとして注目できる

  • 高倍率ズームレンズは画質が今ひとつなものが多いという常識を覆す、プロフェッショナルも満足のいく仕上がりにしたという

  • 堅ろうでありながら高精度で軽量なボディを実現するため、CFRP(カーボン繊維強化プラスティック)と温度変化による収縮が少なく硬度の高いTSC、マグネシウムといった素材を要所要所で使い分けている

  • これまでに発売された2本と合わせ、超望遠ズームレンズのラインアップは3本に

  • 望遠ズームレンズの定番である70-200mmでF2.8の望遠ズームレンズが登場。色収差を消す効果が高い蛍石の特性に似たFLDガラスをぜいたくに9枚も使った構成だ

  • このレンズの登場で、F2.8通しの明るいズームレンズは3本に。いわゆる「大三元」的なラインナップが完成した。だがその上に、シグマは120-300mmのF2.8を用意しているのが特徴だ

  • さらに、その上には…

  • 「エビフライ」の愛称で親しまれている重量15.7kgもの「APO 200-500mm F2.8/400-1000mm F5.6 EX DG」があると説明。会場の笑いを誘っていた

  • シネレンズ(映画用レンズ)の新製品として、28mm/40mm/105mmを新たに追加。これにより、同社のシネレンズは単焦点だけでも10本に、ズームレンズも合わせれば13本ものシステムに成長した

シグマ自身もLマウントのフルサイズミラーレスを開発中!

さらなるサプライズも用意していました。ライカ、パナソニック、シグマによる3社で推進する「Lマウント」規格のフルサイズミラーレスカメラを開発しており、2019年の発売を目指しているということです。

  • ライカ、パナソニックとの3社によるアライアンスを報告

  • Foveonセンサーを搭載したLマウント規格のフルサイズミラーレスカメラを2019年に発売するというサプライズを発表。具体的な製品の内容や写真などは公開されなかった

特徴的なのがセンサー(撮像素子)で、同社のみが製造するFoveonセンサーを採用することです。すでに発売しているミラーレスカメラ「sd quattro」「sd quattro H」のセンサーを単純に大きく切り出したのではなく、新世代のセンサーを開発しているとのことです。センサーの大型化や画素数アップだけではなく、総合的な画質の向上が期待できそうです。

それにともない、同社がこれまで展開してきたSAマウントを採用するデジタル一眼レフカメラは、開発を終了するとのアナウンスがなされました。古くからのファンにとっては残念な報告でしたが、開発のリソースをLマウントカメラに注力することで、シグマらしい個性を持つLマウントのフルサイズミラーレスの登場に期待したいところです。

  • その代わり、シグマSAマウントを採用したカメラの開発中止を表明

  • ただし、シグマSAマウントのレンズは今後も開発や生産を継続していく

また、すでに発売している一眼レフ用の交換レンズは、Lマウント版を随時投入していくことも発表されました。シグマのFOVEONセンサー採用のフルサイズミラーレスは、登場してからそれほど待つことなく、豊富なレンズが使えるカメラになりそうです。

  • シグマSA-LとキヤノンEF-Lマウントアダプターを2019年に発売することも発表

  • 3社がアライアンスを組んだLマウントシステムのシステム図。シグマがマウントアダプターを発売することにより、シグマSAマウントレンズはもちろんのこと、キヤノンEFレンズやライカのM-Lマウントなどが使えるようになり、レンズ選択の自由度が高いシステムとなる

  • Lマウントのレンズは2019年にそろうという

  • これまでに発売されたレンズの基本光学性能を活かしたまま、早いタイミングで14本ものラインアップがそろうのなら魅力的だ。さらに……

  • Lマウントへのマウント交換サービスを2019年にスタートさせる

  • シグマSA/キヤノンEF/ニコンF/ペンタックスK/ソニーA/ソニーEと、さまざまなマウントのレンズを有料でLマウントに交換できる

  • 最後に、これらの魅力的な製品群は空気と水がきれいな福島の会津工場で製造していることをアピールして終了した