日本の顧客に提供できる利点は「自由度」

--日本の顧客に対する利点はどのようなものがありますか?

チャン氏:日本の顧客に提供できる最大の利点は「自由度」だ。自由にいつ、どれだけのスピードでパブリッククラウド、ハイブリッドクラウドに移行するのかを意思決定することや、どのワークロードを最適化するのかという選択肢に関しても自由度を提供している。

グローバルで3000社以上のユーザーを抱えており、究極の選択をするユーザーもいれば、真逆の選択をするユーザーもいる。

2つの究極の選択をするユーザーは、われわれのソリューションを活用することで各環境における効率を高めているほか、セルフサービスの導入により効率化を図っている。そして、セキュアなオンプレミスの環境にとどまりつつパブリッククラウドと同様の利点を得ている。

また、真逆の考え方のユーザーはオンプレミスの社内環境を100%パブリッククラウドに移行し、柔軟性とコストをメリットとして感じている。

自由度を提供すると言ったが、自由度が意味するものとしては、各企業は特有の状況に置かれており、規制遵守のために制約が存在し、制約によりデータやワークロードの置き場所を決めている。どのような場所にデータが置かれたとしても、われわれはユーザーに対して最大の価値と柔軟性を提供している。

--新規顧客に対するアプローチとしては、どのような取り組みをしていますか?

リーガン氏:グローバルにおける市場と同様に日本においてもパートナーの協力がある。パートナーが製品の販売を担っているだけではなく、パートナーがわれわれの技術を用いてユニークなソリューションを構築している。

エンタープライズ市場において、顧客が意思決定する際に3つの情報にゆだねている。1つ目は既存ユーザーの声、2つ目はパートナー企業、3つ目はガートナーやIDCなどの業界アナリスト企業の情報だ。

われわれが主催するイベントではユーザー、パトーナーが一同に介した場を提供しており、真の意味でわれわれのソリューションの利点を理解することができる。グローバルでイベントを開催しているが、新規顧客を獲得する上で効果的である。

  • 左からリーガン氏とチャン氏

--パートナー企業がアクティフィオのソリューション上でサービスを構築し、提供することは日本だけなのでしょうか?

リーガン氏:ほとんどの市場で取り組んでいることだ。日本で例を挙げればネットワールドは販売・金融向け、富士通はサービスプロバイダ向けのマネージドサービス、テクノロジーパートナーのIBMとは、サイバーレジリエンスのソリューションを提供している。

--今後、CDO(最高データ責任者)に求められるものが一層高まることが予想されます。なにか日本企業へのアドバイスはあります?

リーガン氏:まずは企業が抱えるデータの最大のリスクと、そのデータをビジネスでより効果的に活用する最大のニーズに関して評価することを始めるべきだ。その後、どのワークロード、どのプロジェクトから始めるかを選択し、企業全体に拡大していく。

企業全体の視点を持ちつつ、小さく始め、拡大していくアプローチをとることで、どのようなビジネス上の影響が出てくるのか迅速に知ることが可能になる。

企業全体に展開する上での課題はすべてを1度にやろうとするからだ。多くの顧客は、まずは自分たちのIT環境の特定領域からスタートする。例えば、オラクル環境から開始し、その中でアプリケーション開発やバックアップにまつわる問題を解決することから始める。

特定のワークロードからスタートすることで、失敗するリスクを低減できることに加え、コスト削減や環境の加速化など、ビジネス上のメリットが早くに顕在化することから、それをビジネスケースとして企業全体に拡大していくために利用できる。

--日本市場に対する期待、展望、戦略ついて教えてください。

リーガン氏:非常にポジティブであり、日本のチームはこれまで一貫として計画を上回る業績を達成している。過去6~7年間、日本においてビジネスを行う中で、顧客ベースの構築やティア1パートナーの獲得、ブランドの認知拡大に貢献しており、グローバルの売り上げにおいて日本が占める割合は約10%となっている。

チャン氏:日本における成長率はグローバルを上回り、大きな実績がある。これまでに、金融や通信、製造業をはじめ大半の業種において大手の顧客獲得に成功してきた。

そして、最も効果的なマーケティングは既存ユーザーが業界の同業他社に対して、ポジティブな話をしてくれていることだ。だからこそ、日本における将来に関して大きな期待を持っている。