説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『「iPhone XS」は「X」とどこが違うの?』という質問に答えます。

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そんなに変わらない……っていうかどこが違うの? という話も聞こえる「iPhone XS(テンエス)」。2018年9月に発表されたiPhoneの最新モデルのひとつです。2017年モデル「iPhone X(テン)」の後継に位置づけられますが、確かに見た目はよく似ています。

iPhone Xの縦横サイズは143.66mm×70.9mm、厚さは7.7mm。iPhone XSもまったく同じです。5.8インチの有機ELディスプレイも、ディスプレイを点灯したときにわかる切りかけ(ノッチ)も、裏面に少し突き出たデュアルカメラの大きさも、まさに寸分違わずと言っていいでしょう。重量は増えていますが、その差はわずか3gです。

ただし、パフォーマンスには明確な差があります。iPhone Xに搭載のSoC「A11 Bionic」は、製造プロセスが10nm(ナノメートル)ですが、iPhone XSに搭載の「A12 Bionic」は7ナノメートルになり高速化されました。Appleの発表によれば、A11 Bionicと比較して処理速度は最大15%、グラフィック性能は最大50%向上したそうです。機械学習を行う「Neural Engine」の演算性能も大幅にアップしています。

広角+望遠のデュアルカメラの仕様に変更はありませんが、iPhone XSでは画素ピッチが1.4μmに大きくなるなどイメージセンサーの一新により画質と機能が向上しています。取り込める光の量が増えたため暗い場所での撮影に強くなり、A12 Bionic内蔵の画像信号プロセッサ(ISP)によりボケ味の出し方も改善されています。

ガラスとの接合部分の改良により、防沫/耐水/防塵性能がIP67等級からIP68等級にアップしたことも大きなトピックです。水深最大2メートルで30分間までの水没に耐えられるとのことですから、うっかりプールに落としても心配はありません。

iPhone XとiPhone XSの見分けかたですが、底面のライトニング端子左側にアンテナ線があるかどうかでわかります。あるものがXS、ないものがXです。ケースを装着すると見分けがつかなくなりますが、この方法であれば目で確認できますよ。

  • iPhone XとiPhone XS、似ているようで確かに違います