ここ最近、モバイルノートPCの小型・薄型化が進み、13.3型クラスでも1kg前後の軽量ボディを実現したものが増えてきました。ASUSから登場した「ASUS ZenBook S (UX391UA)」もそのひとつで、12.9mmという薄さと約1.08kgという軽さが大きな特徴になっています。
アルミニウム合金のユニボディを採用しているため、写真で見るより金属ならではの頑強さと密度を感じますが、片手で長時間持っていても負担に感じない軽さは、毎日ノートPCを持ち運びたいユーザーにとって、とてもうれしいポイントです。
ZenBookと言えば、同心円状のヘアライン処理を施した天板がトレードマークになっていますが、それは本機にもしっかり受け継がれています。光の当たり具合によっては綺麗な放射状の反射が見られ、独特の高級感が漂います。
製品には本体を傷や汚れから保護してくれるスリーブケースが同梱されているので、PC専用ではない普通のバッグでも衝撃や擦過を気にせず気軽に持ち運べるのがありがたいです。
本体のカラーはディープダイブブルーと呼ばれる深い紺色ですが、天板のロゴやダイヤモンドカットが施されたエッジはローズゴールドが採用されています。派手ではありませんが、控えめに主張する感じの配色で、凛とした佇まいが印象的です。
高品位4K液晶ディスプレイを搭載
液晶ディスプレイは13.3型で、解像度は4K(3,840×2,160ピクセル)となっています。画素密度は331ppiとなり、肉眼ではひとつひとつのピクセルが認識できないほど高精細です。
初期設定では表示スケールが300%になっているため、テキストやアプリのUIが大きめに表示されてデスクトップが少し狭く感じますが、そんな時はディスプレイの設定画面で表示スケールを小さめに変更するのがオススメです。
個人的には200~225%くらいがちょうどよく感じました。ちなみに200%に設定すると、フルHDで等倍にしたときとテキストやアプリのウィンドウなどは同じ大きさに見えます。
液晶パネルは色域が広く、コンピューターディスプレイの一般的な色空間であるsRGBカバー率は100%となっています。実際に、デジタルカメラで撮影した写真をPhotoshopで表示して確認してみましたが、色域の狭い液晶だとくすみがちな真夏のビーチのあざやかな青や、カラフルな花の赤やピンクなどが、本来の色に近いあざやかさで表示されました。
Photoshopを使っていて便利に感じたのが、本機の解像度の高さです。解像度の低いディスプレイで画像を等倍表示するとウィンドウ内には全体のごく一部しか表示できませんが、本機だと大部分を表示することができます。拡大縮小表示を交互に繰り返さなくても、画像の全体と細部を確認しながら編集できるので、作業効率が大幅にアップするのです。
このほか、タッチパネルを搭載しているのもメリットのひとつだと感じました。たとえば、Officeを使っていて文書中の図版やグラフを移動したいとき、指で画面に触れて直感的に移動させることができます。手書きの注釈やコメントなどを、指で手軽に書き加えることができるのも便利でした。
使いやすさを重視したキーボードを搭載
本機を使っていて感心した点に、キーボードの使いやすさがあります。独自のヒンジ機構を備えており、ディスプレイを開くと、本体の奥側が持ち上がり、キーボード面に傾斜がつくのです。同様の機構を備えたノートPCは多数ありますが、本機の場合は傾斜の角度が大きく、よりタイピングしやすく感じました。
このヒンジ機構のおかげで、膝の上に乗せて作業する際も本体底面と膝の間に隙間ができ、熱がこもりにくくなっています。この仕組みと本体の冷却システムが組み合わさることで、効果的な冷却を実現しています。
真夏の暑い日に膝上でRAW現像のような負荷のかかる処理をしていても、目立って処理速度が落ちることも、熱で不快感を感じることもありませんでした。
キーボードはキーピッチが19.05mmあるうえ、キートップに若干カーブがついていて、タッチタイプがやりやすく感じました。キーストロークも1.2mmあり、薄型ノートとしてはしっかりしたクリック感がある方です。
ちなみに、キーボードにはバックライトが内蔵されており、暗所でもキートップの文字が把握しやすくなっています。
タッチパッドはクリックボタン一体型で、操作スペースが十分あるので、スクロールやピンチイン・アウトなどのジェスチャーしやすい印象です。タッチパッドの右上にはWindows Hello対応の指紋認証センサーが搭載されており、事前に設定しておけば登録した指を当てるだけでログインできます。