LV7最強モデルで処理能力をチェックする

LV7シリーズはボディサイズに余裕があり、内部が冷却しやすいおかげで、発熱が大きいが処理能力の高いパーツを搭載できます。パナソニックもLV7を紹介するキーワードとして「高速クアッドコアCPU搭載」を掲げています(ただし、12.1型ディスプレイを搭載したSV7でも同じCPUを搭載した構成が選択できます。なお、LV7もSV7も同じクーラーユニットを搭載しています)。

Let'snoteシリーズは、店頭モデルだけでなく、ユーザーがCPUやストレージ容量、そしてボディや天板のカラー組み合わせをカスタマイズできるパナソニックストア限定モデルまで、数多くのシステム構成を用意しています。

その中で処理能力に大きな影響を与えるのがCPUとストレージでしょう。CPUでは「Core i7-8650U vPro」「Core i5-8350U vPro」(パナソニックストアモデルのみ選択可)「Core i7-8550U」「Core i5-8250U」(店頭モデルで選択可)を用意しています。

ストレージではLX6であったSSDとHDDの組み合わせ構成はなくなり、すべてSSDとなりました。容量は128GB(店頭モデルのみ)、256GB、512GB、1TB(パナソニックストアモデルのみ)から選べるだけでなく、店頭モデルのストレージがSerial ATA 6Gbps接続なのに対して、パナソニックストアモデルではPCI Express接続でより高速です。

ストレージの違いによる処理能力の差は意外と大きいものです。CPUでは高解像度の画像処理など大規模な演算処理を必要とするユーザー以外は、その差をはっきりと認識する機会がほとんどないのに比べて、ストレージの転送速度はPCの起動からアプリケーションの立ち上げ、画像ファイルの閲覧などなど、それこそ体感できる機会が多くあります。

LV7が訴求する「快適な利用環境」を重視するユーザーもしくは法人導入(PCの性能が業務効率、ひいては業績や利益に直結するビジネス利用ならなおさら)ならパナソニックモデル一択といってしまってもいいでしょう。

LV7の処理能力について、ベンチマークテストで測定したスコアを以下に紹介します。測定した評価機にはパナソニックストアの上位構成「CF-LV78HQQP」を用いました。主な構成は次の通りです。

製品名 Let'snote LV7 カスタマイズプレミアムエディション(CF-LV78HQQP)
CPU Intel Core i7-8650U vPro(1.9GHz/Turbo Boost有効時最大4.2GHz)
メモリ LPDDR3 SDRAM 16GB
ストレージ 1TB M.2 PCI Express接続SSD
光学ドライブ Blu-rayドライブ
グラフィックス Intel HD Graphics 620(CPU統合)
ディスプレイ 14型フルHD(1,920×1,080ドット)
ネットワーク IEEE802.11ac対応無線LAN、Bluetooth 4.1、4G LTE(nanoSIM)
インタフェース USB 3.1 Type-C(Thunderbolt 3、USB Power Delivery対応)、USB 3.0 Type-A 2基、有線LAN、HDMI、D-sub、マイク/ヘッドフォンコンボジャック
サイズ/重量 約W333×D225.3×H24.5mm/約1.38kg
OS Windows 10 Pro
PCMark 10
テスト スコア
PCMark 10 score 3411
Essentiial 6496
App Start-up Score 6987
Video Conferencing Score 6224
Web Browsing Score 6306
Productivity 5981
Spreadsheets Score 7213
Writing Score 4961
Digital Content Creation 2774
Photo Editing Score 3379
Rendering and Visualization Score 1812
Video Editing Score 3488
CINEBENCH R15
OpenGL 43.88fps
CPU 580cb
CPU(Single Core) 173cb
CrystalDiskMark 6.0.1
Seq Q32T1 Read 3156.9MB/s
Seq Q32T1 Write 2341.1MB/s
4KiB Q8T8 Read 1082.5MB/s
4KiB Q8T8 Write 989.3MB/s
4KiB Q32T1 Read 299.5MB/s
4KiB Q32T1 Write 462.5MB/s
4KiB Q1T1 Read 51.74MB/s
4KiB Q1T1 Write 110.2MB/s

なお、パナソニックストアモデルでは4G LTE対応モデルを用意しており、本体だけで高速データ通信ができるようになっています。

  • バッテリーを外すとnanoSIMスロットにアクセスできる

Let'snote LV7の存在意義

Let'snoteの存在理由でもある軽量かつ堅牢なボディと長時間のバッテリー駆動時間を備えながらも、大画面ディスプレイと広いピッチと十分なストロークを確保したキーボードを提供するLV7は、快適な作業環境を求めるユーザーにとって最有力候補となる……、と以前ならこの条件だけで唯一無比の存在といえたでしょう。

しかし、いまでは14型ディスプレイを搭載して重さが1.4kgを切るノートPCもThinkPad X1 YogaやThinkPad T480s、ZenBook 14と大手PCベンダーからも多数登場しています。さらに、これはLet'snoteシリーズを否定的にとらえる意見として必ず出てくるものですが、これらの競合製品と比べて価格が高い。それもわずかではなく、突出して高いところが購入のハードルになりがちです。

今回の評価機材構成ではOfficeなし、ウイルス対策アプリなしの構成でも40万円を超えます(最小構成でも30万円を超える)。それだけに、Let'snoteシリーズを選ぶには、この価格に見合った価値を見出す必要があります。

その価値として筆者は「堅牢性」と「本体搭載インタフェース」を挙げます。堅牢性は携行する機会が多いビジネス利用で力を発揮します。布製のリュックやトートバックなどに入れて移動しているときでも安心感が全く違いますし、オフィス内移動でも書類やその他もろもろと一緒に不安定な状態で持ち歩くと意外と多い“落下事案”にも耐えてくれます(個人的に目撃例多し)。

インタフェースで考えても有線LANやD-sub、本体内蔵の光学ドライブを備えた軽量ノートPCというとほかにありません。これらがどうしても必要なユーザーにはLV7は現時点で唯一無比のモデルです。このような需要がある限り、LV7はその存在意義を失うことはないと現時点では思うのであります。

  • ACアダプタはL字コネクタで右側面に接続する。ACアダプタのサイズは実測で約105×46×29mm、重さはコード込みで約300g