次に、最短撮影距離まで近寄って、各レンズの撮影倍率および接写時の描写性能を見てみましょう。最初の写真はズームのワイド端で、その次がズームのテレ端です。絞り値については、F11に統一しています。

▼ズームのワイド端で撮影

  • FE 28-70mm F3.5-5.6 OSSのワイド端で撮影。撮影距離は約30cm。四隅の解像はやや甘くなっていますが、まずまずの接写性能といえます

  • 28-75mm F/2.8 Di III RXDのワイド端で撮影。撮影距離は約19cm。周辺画質はやや低下するものの、ズームのワイド端でここまで寄れるのは、本レンズならではのメリットです。周辺状況を写し込んだクローズアップ撮影や、あえて被写体にパースをつけた接写など、ほかのレンズとは違った撮り方が楽しめます

  • FE 24-105mm F4 G OSSのワイド端で撮影。撮影距離は約38cm。撮影倍率は、フルサイズ対応の標準ズームのワイド端としては圧倒的ではないものの、悪くないレベルといえます。画質は、中央部から周辺部までシャープに解像。ハイレベルな描写です

  • FE 24-70mm F2.8 GMのワイド端で撮影。撮影距離は約38cm。撮影倍率は、24mmスタートの標準ズームのワイド端として標準的といえます。画質は、中央部から周辺部までシャープに解像しており、小さなホコリや切手の質感まで精密に表現できています

▼ズームのテレ端で撮影

  • FE 28-70mm F3.5-5.6 OSSのテレ端で撮影。撮影距離は約45cm、撮影倍率は約0.19倍。ほかの3本に比べるとやや物足りない倍率ですが、その代わり周辺までくっきりと解像できています

  • 28-75mm F/2.8 Di III RXDのテレ端で撮影。撮影距離は約39cm、撮影倍率は約0.25倍。ほかの3本とは異なり、ワイド端よりもテレ端のほうが撮影倍率が低くなっています。ただ、それでも十分に高い撮影倍率です。画質は周辺になるほど低下します

  • FE 24-105mm F4 G OSSのテレ端で撮影。撮影距離は約38cm、撮影倍率は約0.31倍。マクロレンズの代わりとして、ちょっとした接写もこなせるくらいの高い撮影倍率を誇ります。画質は、周辺がやや甘くなります

  • FE 24-70mm F2.8 GMのテレ端で撮影。撮影距離は約38cm、撮影倍率は約0.24倍。FE 24-105mm F4 G OSSには及びませんが、フルサイズの標準ズームとしては高い撮影倍率です。画質は、四隅まで高いシャープネスを維持しています

撮影倍率は見てのとおり、ワイド端では28-75mm F/2.8 Di III RXDが圧勝で、テレ端ではFE 24-105mm F4 G OSSが有利です。接写時の画質については、ワイド端/テレ端ともに、画面四隅まで切れ味鋭い描写を見せるFE 24-70mm F2.8 GMがワンランク以上優れていました。