NATIVE INSTRUMENTS主催のイベント「NATIVE SESSIONS - BARS:EXPLORATIONS OF HIP HOP」が東京・青山のRED BULL MUSIC STUDIOS TOKYOにて開催された。同社製品である「KOMPLETE」「TRAKTOR」「MASCHINE」を使って音楽制作の未来を探求するのを主眼にベルリン、ロンドン、ロサンゼルス、パリ、トロント、メキシコシティー、東京で催行され、NATIVE INSTRUMENTSユーザー、エキスパート、世界の音楽コミュニティーが一堂に集まる。イベントの模様はライブストリーミングサービス「DOMMUNE(ドミューン)」および、同社SNSを活用しリアルタイムで配信された。
「BARS:EXPLORATIONS OF HIP HOP」と題された、今回のNATIVE SESSIONSでは、MITSU THE BEATS & HUNGER FROM GAGLE、KOJOE、illmoreなど、日本HIPHOPシーンで現在活躍しているアーティストが登場。イベント冒頭では、HIPHOPとの出会いや、トラックメイキングを始めたきっかけなど、幅広い話題でトークが繰り広げられた。アットホームなスタジオ内でのやりとりに、アーティストのプライベートな雰囲気が感じられ、視聴者も映像を通してHIPHOPサウンドが生まれるリアルなシーンを体験できた。
ラッパーのKOJOEと、ビート・メイカーのillmoreによる、MASCHINE MK3やKOMPLETE KONTROL MK2を使った、実践的なトラックメイキングでは、ピックアップしたフレーズを元に、その断片がビートに変わっていく様子が、リアルタイムに披露された。サウンドと会話を楽しみながら、MASCHINE MK3にダイレクトに接続されたマイクを使ってボーカルレコーディングを行い、あっという間にアイディアを形にし、複雑なグルーブ感を持つトラックを作り上げる様には多くの視聴者が驚かされたことだろう。
続いては、ビート・メイカーのMITSU THE BEATSによるMASCHINE MK3を使ったテクニックやTIPSなどの紹介。特に、気に入ったサウンドやフレーズを分解し、パッドに割り当て自分でリアルタイムに演奏することで、まったく新しいフレーズやグルーブを生み出す手法は、MITSU THE BEATSも実際のトラックメイキングで多用しているとのこと。こういった、普段はあまり垣間見ることのできないアーティストの創作現場や制作手法を、目で見て耳で聞き学べる機会は非常に貴重であり、これからプロフェッショナルを目指すクリエイターの方々にとっても大きなヒントや刺激となったに違いない。
Photo by Masanori Naruse