大手キャリアから相次いでスマホを投入し、勢いに乗るファーウェイだが、タブレットについても最新の「MediaPad M5」シリーズでラインアップを充実させてきた。

  • MediaPad M5(8.4インチモデル)

小型iPadとして人気の「iPad mini」は、3年近く新モデルが登場していない。ファーウェイの攻勢により、市場の勢力図は変わるだろうか。

買い換えが進まない小型タブレット

国内の「Androidタブレット市場」でシェア1位をうたうのが、ファーウェイだ。だがタブレット全体で首位に立つのはアップルだ。MM総研による調査では、2017年のシェアは1位のアップルが40%を占め、2位のファーウェイは21.7%となった。

だが、タブレット市場は2015年をピークに伸び悩んでいる。その中でも8インチ前後の小型タブレットは、選択肢が徐々に減りつつあるのが現状だ。その背景には、スマホ画面の大型化や、タブレットの仕事利用の増加といったトレンドがある。

  • 8インチタブレットはコンテンツ鑑賞に便利だが、スマホも大画面化している

スマホの大画面化は限界に達したかと思われたが、最近では18:9の縦長画面が登場し、狭額縁化も相まって表示面積は増えている。コンテンツの対応次第だが、スマホでも迫力ある映像を楽しめるようになってきた。

また、タブレットは仕事利用の需要も高まっており、iPad ProやSurfaceのようにキーボードを組み合わせたモデルも増えている。こうした製品の画面サイズは10〜12インチ以上が主流となっている。

一時期は8インチのWindowsタブレットが登場したこともあったが、性能の低さもあり、不評に終わった。こうして8インチタブレットは、スマホの画面では物足りない人に向けた、コンテンツの鑑賞用途に回帰してきたといえる。

こうした用途では、コンテンツがスムーズに再生できれば何の問題もなく、なかなか買い換えが進まないことから、端末メーカーを悩ませている。

ただ大手キャリアの製品を見ていくと、ドコモは「dtab」、auは「Qua tab」シリーズで8インチモデルの投入を続けていることから、一定の需要はあるとみてよいだろう。

  • ドコモの「dtab Compact」(左)もファーウェイ製だ