8インチタブを起点にアップル対抗軸を作れるか

8インチが手薄になっているのは、実はアップルも同様だ。ビジネスやクリエイター用途を想定した「iPad Pro」、手頃な価格の「9.7インチiPad」が着実な進化を遂げているのに対し、7.9インチのモデルは2015年の「iPad mini 4」を最後に、製品投入が途絶えている。

通常のデジタル機器なら、3年落ちともなれば、もはや現役とはいえない。だが、iPad mini 4は現在もしぶとく生き残っている。理由のひとつは、アップルが築いた強固なエコシステムにある。

これまでiPad用のアプリやコンテンツに投資してきたヘビーユーザーほど、Androidへの移行は難しい。iPhoneとの連携機能や、周辺機器の使い回しを考えれば、国内におけるiPhoneのシェアの高さもiPadに大きく味方しているといえる。

だが、さすがにiPad mini 4は、古さも否めなくなってきた。OSが異なるため直接の比較は難しいが、画面の鮮やかさや動作速度、指紋認証の速度でも、ファーウェイの最新タブレットはiPad mini 4を上回っている印象だ。

  • 2015年発売のiPad mini 4(左)はさすがに古さが否めない

このように、一見したところ完璧に見えるアップルの製品ラインでも、実は8インチタブレットは手薄になっている。この領域でファーウェイがシェアを伸ばしていけば、スマホについてもファーウェイ製品に目を向けるユーザーが出てくるかもしれない。

国内の圧倒的なiPhone人気をすぐに覆すというわけにはいかないが、切り崩しを仕掛けていくための有力な糸口にはなりそうだ。