説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『iPhoneの画面を10円玉でガリガリやっても傷つかないってホント?』という質問に答えます。

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はい、傷つきません。iPhoneのディスプレイ表面には強化ガラスが貼られており、その硬度は10円硬貨を大きく上回るからです。より硬度の高い物質が10円硬貨の縁に付着していないかぎり、力を入れて引っ掻いても跡すらつかないはずです。

2018年5月における最新モデルのiPhone Xでは、採用されている部材の詳細は明らかにされていませんが、コーニング社の「ゴリラガラス(Gorilla Glass)」を採用したと発表があったiPhone 5以降、同社のカスタム版強化ガラスが採用されていると考えられ、強度は現行品の「ゴリラガラス 5」と同程度かそれ以上と推定されます。

ゴリラガラスなどの強化ガラスは、素材にアルカリアルミノ珪酸塩を利用するなどの効果によりプラスチックの数十倍という硬度を実現しています。iPhone 5に採用されたといわれるGollira Glass 2のビッカース硬度(単位Hv、値が大きいほど硬い)は600~800程度ですから、かなりの硬さです。

ちなみに、1円玉の主材料であるアルミニウムはビッカース硬度がHv45、5円玉の黄銅はHv150、10円玉の青銅はHv130、50円/100円/500円の白銅はHv160~170といわれています。実生活で注意すべきは、ビッカース硬度が1500~2000の陶器などの素材であるセラミックで、割れた陶器の欠片で擦れば傷がつく可能性大です。

なお、2016年9月にApple幹部がTwitterでコメントした情報によれば、iPhone 7以降のリアカメラ(iSightカメラ)のレンズには、より硬度が高いサファイアクリスタルが採用されているようです。サファイアクリスタルのビッカース硬度は2300Hv程度といわれていますから、よほどのことがないかぎり傷は付かないでしょう。

  • 10円玉程度の硬さではiPhoneの画面に傷をつけることはできません