ダイソンのV10はふとん掃除に使うべし!

ダイソンの掃除機は、もともと吸引力の高さと、高度な遠心分離能力による吸引能力の維持に定評があります。その威力を最も実感できたのは、付属の「ミニモーターヘッド」を取り付けて、ハンディモードでふとん掃除をしてみたとき。

  • Dyson Cyclone V10

    布団を掃除する写真を撮り忘れてしまいゴメンナサイ……(担当編集:黒い毛布を代わりに掃除しましたが、V10を何往復かさせるだけでホコリがびっしり! これはスゴイ!!)

V10を試す前日に、自宅のふとんクリーナーでふとんをしっかりと掃除していたのですが、ダストカップの中にはハウスダストと思われる細かな粉塵と、綿ボコリが衝撃的なほど溜まっていました。今までふとんクリーナーを使っていて、綿ボコリなんて見たことなかったので、その吸引力の高さを改めて実感しました。

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    前日にふとんクリーナーでしっかり掃除をしたはずなのに、これだけのゴミが捕れて唖然! 特に綿ボコリのようなものが多く見られました

V10で従来モデルより吸引力がアップしたとはいえ、これまでの製品でも吸引力は十二分に高く、個人的にV10はオーバースペックでないかと思っていました。ですがふとんクリーナーとはケタ違いのゴミ吸引力を見せつけられると、なんだかほれぼれとしてしまいます。

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    一見キレイに見えるふとんも、V10で掃除するとホコリがいっぱいとれた、なんてこともありそうです(画像はイメージ)

モーターが小型化したことにより、本体の構造も変更されています。従来は、「クリアビン」と呼ばれるダストカップ部とサイクロン部、モーター部はハンドル部分に対して垂直にぶら下がる形で付いていましたが、V10では持ち手に対して並行になり、フィルター部分まで一直線でつながる構造になっています。

ダイソンによると、ストレートにつながる構造にすることでサイクロン内の気流の時速がアップし、ホコリと空気の遠心分離能力もパワーアップしているとのこと。綿ボコリが目立って見えるのも、高い遠心分離力を示しているのだと考えると納得です。また、作動させればさせるほどに中のゴミが分離してゆき、最初は大きめの塊だったゴミもいつの間にか小さくなっていました。

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    吸引口から、クリアビン、サイクロン部、モーター、フィルター部まで一直線の構造に。より効率的に吸い込めるように改良されています

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    ただし、取り付けるパーツによってはアンバランスとなり自立せず、保管時に少々不便なことも……

吸引力が高くなるのに比例して床面と密着してしまい、ヘッドブラシが操作しづらくなってしまうという欠点もあります。そのため、吸引力がさらにパワーアップしたV10の操作性を心配していたのですが、弊害と思える要素は感じられませんでした。

実は今回、ダイソン独自のヘッドブラシ「ソフトローラークリーナーヘッド」も改良されています。静電気の発生を抑えるため、レコードのクリーナーとしても使われるカーボンファイバーブラシを採用し、柔らかいナイロンフェルトと組み合わせることで、フローリングなどの硬い床の上でも大きなゴミと微細なホコリを同時に取り除けるとしています。そのため、ナイロンフェルト上にホコリはあまり付着せず、ヘッドブラシのお手入れ頻度が減りました。うれしい改良ポイントと言えるでしょう。

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    ダイソン独自の「ソフトローラークリーナーヘッド」。静電気の発生を抑えるカーボンファイバーブラシが新たに採用されたことで、表面にホコリがほとんど付着しないため、お手入れの頻度が減ってラクに!

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  • ヘッドが大きく独特な構造のため、隅の掃除は少々苦手なものの、首は柔軟に曲がって角にもアプローチできます

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    「ソフトローラークリーナーヘッド」の裏面。手元側に装備されている細めのブラシがカーボンファイバー素材で、静電気を抑制する働きがあります

バッテリーも長持ち!

ダイソンの従来コードレスクリーナーでこのほか弱点とされていたのが、バッテリーの駆動時間です。V10ではバッテリーパックも刷新。本体重量を増やさず、エネルギー密度を高くしたという7セル構造のバッテリーパックを採用しました。従来は最大で40分しか使えませんでしたが、V10は3.5時間の充電で、最大60分使えます。また、今回からは運転の強弱を3段階でスイッチにより切り替えられるため、バッテリーを節約しながら運転できます。

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    充電中はインジゲーターで充電の容量を示してくれるので残り時間がわかりやすいです

ダストカップとサイクロン部分、モーターが一直線上に並んだ構造に変わったことにより、ゴミ捨ての機構も新しくなりました。以前はレバーを引くとダストカップのフタがパカっと開く構造でしたが、V10ではレバーを下方向に向かって垂直方向にスライドさせる仕組み。ワンタッチではなくなり、多少力が要るため、旧製品に比べると使い勝手が悪くなったものの、スライドさせるときに中の遠心分離部分の表面に装着したゴミをこそぎ落としながら振り払えるため、ゴミが舞い上がりにくくなった点は便利になったと感じます。

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    ゴミ捨てはクリアビンのレバーを下側にスライドさせる仕組みに

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    レバーをスライドさせるとフタが開いて中のゴミが落ちます。撮影用に新聞紙の上に落としましたが、勢いよく飛び出るため、通常はゴミ箱の上で捨てるのがベターでしょう

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    クリアビンはそのまま取りはずすことができ、水洗いも可能

フィルターの構造も変わりました。プレモーターフィルターとポストモーターフィルターを一体にしたスタイルとなり、取りはずしが簡単に。0.3μの微細粒子の99.97%を捕集できる性能で、そのまま水洗いもできます。

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  • これまで2つだったフィルターを1つに集約。時計回りに回すと簡単にはずせ、そのまま水洗いできます

V10を買うべき人、買うべきでない人

ふとん掃除でその威力を確認できたものの、実を言うと筆者宅では全面フローリングの生活をしています。そのため正直なところ、フローリング中心の生活では日常生活においてここまでの吸引力は必要ないかなという結論になりました。それよりも操作性を優先したいところ。

そこで絨毯の上で生活をしている友人に試してもらいました。すると、定期的に掃除機で吸引しているにもかかわらず、クリアビンはあっという間に満杯になってしまったとのこと。その威力の高さに驚き、これだけ差を見せつけられると、値段は安くはないものの購入を検討したいとの話でした。

コードレスクリーナーとはいえ、今や多様な選択肢がある時代。住宅環境や利用用途に合わせて各家庭に最適な一台を選びたいものです。V10は絨毯を敷いている家庭やペットを飼っている家庭など、多少操作性に難があってもとにかく吸引力を最優先に考えているユーザーにお勧めしたい製品でした。筆者もふとん用のハンディクリーナー専用機として、価格を抑えたパッケージが発売されたら購入を検討しようと思います。

最後に、今回新製品を試してみて、改めて感じたのは、ダイソンの掃除機はわかりやすくクルマに喩えるとしたら"外車"のイメージ。見た目もカッコいいし、パワーもスゴイ。ただし、大型で小回りが利きにくいのが難点です。ダイソンはイギリスのメーカーですし、「外車か国産車か?」といったクルマを選ぶ感覚で購入を検討してみるのもアリかもしれませんね。

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    スタンダードモデルの「fluffy」の付属品。「ソフトローラークリーナーヘッド」の他に、ハンディ用のパーツが3種類同梱されています

  • 運転中の動作音。ダイソンならではといえる、周波数高めのモーター音は健在