2018年5月16日、1年ぶりのメジャーバージョンアップとなる「FileMaker 17プラットフォーム」が発表された。このプラットフォームの製品のうち、FileMaker Cloudだけはおよそ2週間後に提供が開始される予定だが、それ以外は同日に提供開始となった。

この新バージョンの登場にあたり、ファイルメーカー社社長のビル・エプリング氏、North Asia Sales Directorの日比野暢氏、マーケティング部シニアマネージャーの荒地暁氏、法人営業部セールスエンジニアの小林ひとみ氏に話を聞いた(以下、敬称略)。

  • 左から社長のビル・エプリング氏、法人営業部セールスエンジニアの小林ひとみ氏、North Asia Sales Directorの日比野暢氏、マーケティング部シニアマネージャーの荒地暁氏

-- メジャーバージョンアップの時というのは、どのような気分なのですか?

エプリング たくさんの新機能がありますから、それをユーザの皆さんにご紹介できて、とてもエキサイティングです。わくわくしていますよ。

-- 確かに、今回のバージョンには新しい機能がたくさんありますね。その中でも特に紹介したいものを、いくつか挙げていただけるでしょうか。

エプリング 紹介したい機能は、大きく2つのカテゴリーに分けられると思います。これからFileMakerプラットフォームを導入する新規のお客様と、すでに使っている既存のお客様です。新規のお客様には、API関連の強化と、iOSデバイスの各種センサーをサポートするGetSensor関数をご紹介したいですね。既存のお客様には、データ移行のためのFileMaker Data Migration Toolを有効に使っていただけると思います。

-- iOSデバイスのセンサーのサポートは、これからどのように使われていくのか関心があります。ユーザからの要望や想定される利用例などがあれば聞かせてください。

日比野 バッテリーの残量を取得できるので、倉庫の業務などiOSデバイスを長時間持ち歩いたまま使う場合に、残量が減ったら警告を出したいという要望があります。また、歩数や傾きなどを検知してヘルスケアやリハビリに活かしていこうという話も聞いています。たとえばiPhoneの「ヘルスケア」アプリにはさまざまなデータが蓄積されますが、これはあくまでもiPhoneの所有者個人のものですね。FileMakerのカスタム Appを使えば、個人IDを利用して1台のデバイスで複数の人のデータを管理できますし、データを正確に蓄積、分析できます。

-- 注目の新機能は、ほかにもありますか?

日比野 ローカル通知ですね。FileMaker Goを実行していない、またはバックグラウンドで実行されていても、iOSデバイスに通知を出すことができます。位置情報をもとに通知を出したい場合などには、特に便利だと思います。