ポップイン代表取締役の程涛氏は、3人の子どもたちにプロジェクターでコンテンツを楽しませたいと考えたことが、製品開発のきっかけだったと振り返ります。

小さな子どもがいる部屋でプロジェクターを利用するには、コンセントが必要で、子どもの安全を脅かすこともあるケーブルもジャマ。モノがいっぱいの部屋には、プロジェクターの設置場所にも困ります。プロジェクターを毎日使っていないと、やがて使わなくなることにも気が付いたそうです。

  • プロジェクター内蔵スマートライト「popIn Aladdin」発表会

    子どもにコンテンツを見せるプロジェクターを開発するに当たり、天井のシーリングソケットに注目

これらの問題を解決するカギは、天井のシーリングソケット(引っ掛けシーリング)にありました。ここから電源を取れば、コンセント不足に悩むこともなく、ケーブルがジャマになることもありません。シーリングソケットについて調べた程社長は、実は日本のJISでしか規格化されておらず、5kgまで安心してぶら下げられるのは日本の家屋だけということを知ります。

シーリングソケットにDIYでレールを取り付け、ライトとプロジェクターとスピーカーを自作で設置。子どもが大いに喜んでくれたことから、市場にニーズがあると考えたといいます。

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    程代表が天井のシーリングソケットを利用して自作した投影機

先述のとおり、popIn Aladdinは2017年のCEATEC JAPANに、コンセプトモデルを参考出展しています。このコンセプト機は高さが250mmあり、室内を圧迫する印象がありました。量産モデルでは改良を加え、高さを169mmまで抑え、直径は400mmから476mmに拡大しています。

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    popIn Aladdinのコンセプト機は高さが250mmありました

高さを縮めるのは、開発過程でもっとも苦労したポイントだったそう。部屋の壁にはさまざまなタイプがあり、シーリングソケットと壁の距離は部屋によって異なります。このため、モーター式の角度調整レンズが必須であり、さらにレンズの角度調節にはどうしても一定のスペースが必要でした。

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    改良した量産モデルでは高さを169mmに抑えました

また、排熱のため、吸気口と排気口をサイドに設け、本体内を空気が通り抜ける構造になっています。排気ファンは静音性を重視し、一般的なエアコンより静かな、騒音レベル35dB以下を実現したそうです。

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    正面にレンズ、裏面にスピーカーを搭載。サイドから吸い込んだ空気を反対側から送り出して排熱します

ちなみに投影可能な画面サイズは60~120インチ。投影する壁面までの距離は1.54~3.09mを推奨しています。

popIn Aladdinの開発には、VAIOが協力しています。設計、製造、最終組み立て、出荷前検査まで、VAIOの安曇野工場が一気通貫で請け負っているとのこと。

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    popIn Aladdinのおもな仕様。詳細なスペックは未公開