2018年4月11日から13日まで、ポートメッセなごやにて開催されている「ものづくりワールド2018」においてリコージャパンは、同社が日本の販売代理店として設置の段階からサポートしている「HP Jet Fusion 3Dプリンタ」、および独Envision TECの3Dプリンタ「Perfactory 4 LED standard XL」の展示を行っている。

Jet Fusion 3Dプリンタは、HP初の3Dプリンタ。HP独自の3D造形技術技術(HP Multi Jet Funsion テクノロジー)により、Rapid Prototyping(試作)はもちろんのこと、Direct Manufacturing(最終製品のダイレクト生産)も実現する。

  • Jet Fusion 3D プリンタ

    HP製の「Jet Fusion 3Dプリンタ」。造形スピードは4000cm3/hr、造形エリアは380mm(幅)×284mm(奥行き)×380mm(高さ)

Multi Jet Fusionの造形プロセスは、以下の通り。

  1. 造形材料(熱可塑性樹脂)を敷く
  2. 溶融促進剤、表面層食材を高速噴射する
  3. 熱を加えて樹脂を溶融し、微細な造形をコントロールする
  4. 1~3を繰り返す

このサイクルを高速で繰り返すことで、従来の3D造形方式と比べて格段の生産性と最終部品に必要な靭性と郷土、耐衝撃性に優れた製品の造形を可能にしている。

  • Jet Fusion 3D プリンタが生産した製品例
  • Jet Fusion 3D プリンタが生産した製品例
  • Jet Fusion 3Dプリンタが生産した製品例。学生が開発するフォーミュラカーの吸気パーツなどに使用されている

一方のPerfactory 4 LED standard XLは、Envision TECの独自技術によって、高精細かつ積層痕のない滑らか高品質を実現し、設計開発効率を向上させるもの。従来、課題となっていた造形後の製品のギザつきがなく、なめらかな造形がなされることが特徴だ。

  • Perfactory 4 LED standard XL

    Perfactory 4 LED standard XL。造形エリアは192mm×120mm×180mm

造形材料には、UVで硬化する液体樹脂を用いる。樹脂の下からLED光線を当て、一層ずつ造形していく。プロジェクターで1度にXY方向の樹脂を露光し硬化させる方式のため、レーザー露光方式よりも早い造形スピードを実現する。

ブースには、この3Dプリンタによってつくられた製品、および従来法でつくられた製品も展示されており、その表面の滑らかさを確認することができる。

  • 熱溶解積層(FDM)方式、マテリアルジェット方式、envisionTECの3Dプリンタでつくられたもの

    異なる方式の3Dプリンタで製造された製品。左から、熱溶解積層(FDM)方式、マテリアルジェット方式、Envision TECの3Dプリンタでつくられたもの

  • FDM方式でつくられた試作品
  • マテリアルジェット方式でつくられた試作品
  • Perfactory 4 LED standard XLでつくられたもの
  • FDM方式でつくられたものは、生産時のギザつきが残されており、マテリアルジェット方式でつくられたものは、表面が少々ざらついているのがわかる。Perfactory 4 LED standard XLでつくられたものは、表面が2つに比べて滑らかだった