炭酸飲料は若者の飲み物。先々は少子化。そんなイメージから、日本コカ・コーラは苦戦しているのでは? と思う人がいるかもしれない。実際はその逆だ。少なくとも2017年は市場の伸びを上回る成長を記録するなど好調だったという。日本コカ・コーラは何をしたのか。
3つのイノベーション
日本コカ・コーラは好調のようだ。先月に開催した炭酸カテゴリー戦略発表会で、ホルヘ・ガルドゥニョ社長は「昨年は全般で勢いを持続。炭酸飲料カテゴリーでは勇気つけられる結果を得た。日本コカ・コーラは(全世界におけるグループ内で)イノベーションリーダーとしての評価を得ている」と話す。
高評価を得た理由は、これまで取り組んできた3つのイノベーションが功を奏したからだ。それは「パッケージ」「デジタル」「高付加価値」である。
パッケージは同社にとって非常に重要な位置づけだ。近年では2016年に国内でも発売されたコカ・コーラのリボンボトルがヒットした。リボンボトルは、ペットボトルのラベルを引っ張ると、リボンの形に姿を変える驚きのボトルが多くの人の心を掴んだ。古くはい・ろ・は・すが潰しやすく環境に配慮したパッケージとして、水カテゴリーで立ち位置を築いた。
これらはパッケージが話題を呼んだ例である。こうした例をいくつも持つ同社としては、パッケージの革新性は購買につなげる力を持つ重要な要素というわけだ。
デジタルは、CokeOnアプリを指す。Coke Onアプリはデジタルマーケティングを実施する上で欠かせない存在。消費者とのエンゲージメントを高める使命を負ったこのアプリは2017年末で700万ダウンロードを超過。対応自動販売機も全国22万台となった。
最後の高付加価値は、最も注目すべきところだ。同社は昨年、いくつもの健康ニーズ対応飲料を発売した。コカ・コーラ プラス、スプライト エクストラ、カナダドライジンジャーエール プラスといった製品だ。こうした特定保険用食品、機能性表示食品がヒット。主力のコカ・コーラも市場の伸びを上回る成長を記録しており、炭酸カテゴリーでは成功を収めたという。
まとめれば、長年に渡るパッケージ開発、2016年からスタートしたデジタルへの取り組み、基幹ブランドに付随する新カテゴリーの製品のヒットが加わり、好調の日本・コカコーラがあるというわけだ。