モダニティが国内販売を取り扱うオーディオブランド、EARIN(イヤーイン)の新しい完全ワイヤレスイヤホン「EARIN M-2」の発売を受けて、スウェーデン大使館にてメディア向けの試聴体験会が開催されました。イベントには製品の開発者であるペア・ゼンストローム氏も出席。元祖・完全ワイヤレスイヤホンの第2弾モデルについて、その魅力を語ってくれました。

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    スウェーデンのスタートアップ発、完全ワイヤレスイヤホンの第2弾モデル「EARIN M-2」が待望の日本発売

EARIN M-2の発売時期については、昨年(2017年)夏に一度、2017年8月末とアナウンスされました。ところが同年8月下旬、大型台風13号・14号がEARIN M-2の組み立て工場のある香港・中国南部を直撃し、甚大なダメージを与えたことから部品の生産が頓挫。新規工場の確保とその調整に時間がかかっていました。新たに仕切り直しの準備が整い、2018年2月下旬から日本最優先で再スタートを切りました。まずはブラックモデルの販売が2月末から始まっています。

EARINはスウェーデンのオーディオ系スタートアップ、Epickal ABのブランド。2015年12月に発売した初代のEARINは、当時コンシューマー向けの完全ワイヤレスイヤホンがまだ希有だったころに商品として発売されたことから、元祖・完全ワイヤレスイヤホンとして注目するファンも多いモデルです。

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    Epickal ABのペア・ゼンストローム氏が新製品の特徴を説明

あらためて日本での発売を迎えたEARIN M-2は、価格が29,800円(税別)。カラバリはブラックとシルバーの2色がそろいますが、シルバーはスペースグレイに近い色へと色調を変更し、2018年6月中の発売を予定しています。

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  • EARIN M-2のパッケージ。コルクのスタイリッシュなケースに入っています

特徴はそのコンパクトなサイズ。左右のイヤーピースを筒型の充電器を兼ねたケースに入れて軽快に持ち運べるので、スマホによる音楽リスニングにもぴったり。スマホとのペアリングには初代モデルと同じくBluetoothを使います。コーデックはaptX・AAC・SBCをサポートしました。

EARINのM-1とM-2の大きな違いについては、ゼンストローム氏が以下のように語っています。

「従来モデルからデザインとハンドリング性をブラッシュアップしました。カプセルをよりコンパクト、スリムな形状にして、M-1でも評判のよかったアルミケースの質感はそのままキープしています。充電残量がカプセルの方だけでなく、イヤホンも一目でわかるようにLEDランプによるガイドをケースに設けました。ケースからの着脱はマグネット式なのでワンタッチで簡単にできます」

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    本体と充電用のUSBケーブル、交換用のイヤーチップが付属

イヤホン自体がよりコンパクトに、装着しやすくなっています。付属する低反発フォームチップもスリムに。M-1と比べて耳穴への収まりがスムーズです。イヤホンの側面パネルにはタッチセンサーが乗っていて、音楽再生にハンズフリー通話の操作が素速くできます。

M-1と同じくノウルズ製のフルレンジをカバーするBA型ドライバーユニットをシングルで搭載していますが、M-2では本体を小さくしたこともあって、ドライバーユニットを新しいものに入れ替えています。ゼンストローム氏は「低音再生も強化している」と説明しています。

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    上がM2、下がM1のケース。長さは少し長くなっているが、ストレートな形状で持ちやすくなっています

左右間イヤホンの接続は、信号のドロップやノイズの混入が少ない「NFMI(近距離磁気誘導)」を採用。信号の伝送スピードも通常のBluetooth接続の場合よりも高速で安定するので、動画再生時にも口元の動きと音のズレが発生しないとのこと。

本体にマイクが内蔵されたことも、M-2が進化したポイントの一つです。片側のイヤホンに、通話用と、後述する環境音を取り込むためのマイクが1基ずつ乗っています。左右合計で4基のマイクが搭載されている計算になります。

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    コンパクトになったM2のイヤホン部。側面はタッチセンサーリモコン

LRのないイヤホン、装着した耳を判別して左右を自動設定

イヤホンは左右があらかじめ決まっていません。本体を耳に装着したときに、内蔵するポジショントラッキングセンサーが左右のどちら側の耳に装着されているかを自動で判別してくれます。そして当然ながら左チャンネルの音は左側、右チャンネルの音は右側のイヤホンにプレーヤーから送り出されます。

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    Xperia XZ1と接続。aptXの高品位なサウンドをチェック

もう一つの特徴的な機能は「オーディオトランスペアレンシー」。これは音楽を聴きながら、イヤホンに内蔵するマイクを使って周囲の環境音が取り込めるというものです。こちらの機能について詳しく説明する前に、専用のモバイルアプリを紹介しておきましょう。

「EARIN M-2アプリ」はiOS/Android両方のプラットフォームで利用可能。無料で公開されています。アプリからはオーディオトランスペアレンシーのレベル調整のほか、再生音量のアップダウン、左右再生バランスの変更などが行えます。また、耳から外した状態でイヤホンの電源をオフにしたいときにも便利な、アプリからの電源オフ機能があります。

オーディオトランスペアレンシーのユニークな機能は、取り込む外音の量を調整できるだけでなく、遠くの音か近くの音か、どちらをメインに取り込むかが設定できます。アプリからは機能のオンとオフのほか、オートのステータスが選べます。オートのときは音楽を聴いているとオフ、一時停止するとオン(=環境音を取り込む)という使い勝手になります。

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    環境音を取り込めるオーディオトランスペアレンシー機能を搭載

  • EARIN M-2

    音量の調節もアプリから行えます

内蔵バッテリーは、一度のフル充電で約4時間の連続音楽再生に対応しました。充電用カプセルを併用すると、合計で最大12時間前後のリスニングができます。

試聴体験会に参加するため来日したゼンストローム氏のコメントによると、発売されたばかりのEARIN M-2も大変好調とのこと。「M-1と比べて音質や操作性も格段によくなっていることが実感できると思う。ぜひ多くの方々に進化した完全ワイヤレスイヤホンの心地よさを体験して欲しい」とアピールしていました。