Firefox 59の新機能

まずは、Firefox 59の新機能である。リリースノートによれば、最初にあげられているのが、パフォーマンスの強化である。1つめは、ホームページ(about:home)のコンテンツの読み込み速度が高速化された。さらに、ホームページのカスタマイズ機能も導入された。

  • 図5 トップサイトの項目をカスタマイズ

そして、もっとも注目なのが、Race Cache With Network(RCWN)であろう。従来のキャッシュの仕組みでは、読み込み済みのコンテンツをHDDから再利用することで、レンダリングを高速化していた。しかし、HDDのアクセスが重負荷な状態であると、効果が期待できない。そこで、キャッシュの読み取りと同時に、ネットワークへのリクエストを行い、早いほうのデータを利用するものだ。

macOSでは、Off-Main-Thread Painting(OMTP)が導入され、グラフィックのレンダリングが可能となった(Windows、Linuxでは導入済み)。

Firefox Screenshotsでは、新機能が追加された。まずは、再トリミング機能が追加された。保存したスクリーンショットに、再度、トリミングができる。

  • 図6 再トリミング

さらに、保存したスクリーンショットに、ハイライトや書き込みも可能となった。

  • 図7 書き込みを行う

W3Cのポインターイベント仕様にも対応した。[オプション]→[プライバシーとセキュリティ]の[許可設定]に、位置情報、カメラ、マイクの使用の可否を設定できるようになった。

  • 図8 許可設定

それ以外の新機能には、以下がある。

  • Enhanced WebExtensions APIが拡充
  • Real-Time Communications(RTC)の機能の改善
  • ドイツ語版には検索エンジンにEcosiaが追加
  • 実験的に、タブ非表示機能の提供

現状、実験段階であるが、タブ非表示機能は、多くのアドオン開発者などから求められていた機能である。about:configのextensions.webextensions.tabhide.enabledで、変更可能である。

セキュリティアップデートは、最高が2件、高が4件、中が7件、低が5件と合計、18件の修正が行われた。ここいくつかのアップデートと比較すると、やや少なめといった感もある。しかし、早めのアップデートが求められるであろう。

今回、目新しい新機能はなかったが、Firefox 57からのQuantumプロジェクトが着実に進行し、さらなる高速化を実現しているという印象である。