Mozillaは、Firefoxの新バージョンとなる「Firefox Quantum」を2017年11月14日(現地時間)にリリースした。すでに報道などで、ご存じの方も多いと思うが、実際には「Firefox 57」である。その名前の由来であるが、1989年から1993年まで放映されたTVドラマの「The Quantum Leap(飛躍的進歩)」からである。今回の大幅な機能拡張を飛躍的進歩になぞらえたのである。
特にこのバージョンアップでは、飛躍的なパフォーマンスの向上が達成された。さて、この「Quantum」であるが、正しくはブラウザの名称ではなく、プロジェクトの名称である。Mozillaでは、約1年をかけてQuantumプロジェクトを進め、その成果が段階的に実装されてきた。しかし、今回のバージョンでは、CSSエンジンの変更という大きな変更があり、そのタイミングでQuantumという名称が付いた。Mozillaでは、今後もQuantumプロジェクトは継続され、今後、リリースされるFirefox 61、もしくは62まで、この名称が使われることになる予定である。
また、リリースに先だって10月31日に、国内にてMozilla Corprationのスタッフによる記者発表会も開催された。
Mozilla Corprationから、コアブラウザー担当プロダクト管理ディレクターのジェフ・グリフィス氏らが来日し、発表やデモを行った。この内容なども織り交ぜながら、新Firefoxの紹介をしたい。
Firefox Quantumの新機能
まずは、Firefox Quantumの新機能である。リリースノートによれば、以下のようになる。
- まったく新しいブラウジングエンジンを搭載し、モダンデバイスでの処理能力を最大限に活用するように設計
- 新しくクリーンでモダンな外観、一貫性を持った視覚効果、タッチスクリーンへの最適化などを実装し、再設計されたインターフェイス
- アドレスバーと検索バーを統一。新規にインストールを行うとこの統一バーが表示される。検索バーを従来に戻すには、こちらを参照
- 新しいタブではトップに、よく訪問するサイト、最近訪問したページ、(米国、カナダ、ドイツでは)Pocketからの推奨サイトを表示
- アップデート時のツアーが、新規ユーザーと戻ってきたFirefoxユーザーに表示
- AMD VP9ハードウェアビデオデコーダによる低消費電力ビデオ再生のサポート
- すべてのWebサイトのアクセス許可を管理する許可設定が可能に
また、セキュリティアップデートは、最高度が4個、高度が1個、中度7個、低度が4個となっている。変更点の1つに、日本語版ではデフォルトフォントがメイリオになった。このあたりも雰囲気を大きく変えている。以下では、Firefox Quantumの特徴的な機能を見ていきたい。ダウンロード先は、これまで通りである。