説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『iPhoneでも「WEBアプリ」を使えますか?』という質問に答えます。
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「WEBアプリ」の定義が明確ではありませんが、SafariなどのWEBブラウザ上でなんらかのプログラムが動作するかという意味であれば、答えは「イエス」です。表示エリアなどiPhone用に最適化された部分はありますが、「HTML5」や「CSS」、「ECMAScript」(標準化されたJavaScriptの言語仕様)といった他のブラウザと互換性を持つ部分がありますから、実際かなりの数のWEBアプリがiPhoneのSafariで動作します。
具体的な例としては、クラウド上の文書を表示/編集機能を提供する「Googleドライブ」、iCloudの写真共有機能(公開Webサイト)が挙げられます。スマートフォンで実行する場合、表示領域の違いを考慮しパソコンのときと異なる動作をすることもありますが、基本的には特定のOS/プラットフォームに依存せず動作することがメリットです。
App Storeで配布可能な体裁を持ったWEBアプリも存在します。表面的には自前のアイコンを持ちホーム画面から起動する一般的なアプリ(ネイティブアプリ)ですが、データやプログラム本体をクラウド上に置き、iPhone側から必要に応じてデータを取得/処理を依頼するという外殻部分の役割を担います。外側だけという意味合いから、"ガワアプリ"などと呼ばれることもあるようです。
ただし、WEBアプリはネイティブアプリと比較して実行速度は遅めで、バックグラウンド処理(ブラウザが前面表示されていないときの処理)には対応していません。特定のOS/プラットフォームに依存しないため、App Storeで一括管理することも難しく、Appleによる積極的なフォローも見られませんでした。
しかし、WEBブラウザのバックグラウンド処理を可能にする「Service Worker」という技術が登場し、これを利用することでWEBアプリにネイティブアプリ並の機能をもたらす「PWA(Progressive Web App)」が注目を集めています。Service Worker対応のWEBブラウザも増え、Safariのエンジン部分(WebKit)がサポートすることも明らかになっています。今後WEBアプリは急速に進化するかもしれません。