説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『4K/60pのビデオ撮影、カメラのフォーマットは「互換性優先」でOK?』という質問に答えます。
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iOS 11では、新たに「HEIF」という静止画/動画フォーマットに対応しました。データを小さくするためのプログラム(コーデック)に「H.265/HEVC」を採用することで、高い圧縮効率を実現しているため、データサイズを従来の半分近くにまでコンパクト化することが可能です。写真/ビデオ1点あたりのファイルサイズが小さくなるのですから、内蔵ストレージの節約にもなります。
しかし、新しいフォーマットなだけに、パソコンや他のスマートフォンで再生できないこともあります。そんなときのために、iOS 11では『設定』の「カメラ」画面に「フォーマット」項目を用意し、撮影のときHEIFを利用する「高効率」と、従来どおり静止画にはJPEG/動画にはH.264を使う「互換性優先」のいずれかを選ぶことができます。
一方、iPhone 8/8 PlusとiPhone Xでサポートされている「4K/60fps」と「1080p/240fps(スローモーション)」は、HEIF/HEVCだけの撮影モードです。これらのモードを選択すると、再生できるのはmacOS High Sierra(10.13)以降と警告されることもあり、互換性優先では使えないと結論付けてしまいがちです。
実際のところ、その2つの撮影モードを利用する場合、フォーマットに高効率と互換性優先のどちらを選択しているかどうかを気にする必要はありません。撮影モードに「4K/60fps」や「1080p/240fps」を指定していると、互換性優先を指定していてもHEVCで撮影されるからです。カメラのフォーマットは互換性優先のままで問題ありません。