Appleは、iPhoneの新しいTVCM、3本を公開した。昨年夏に公開された、ガラケー(フィーチャーフォン)から、iPhoneへの買い替えを提案するという内容を踏襲するもので、前シリーズ同様、最後は「さあiPhoneへ」というメッセージで締め括られている。今回も日本向けに作られたオリジナルバージョンだ。
新たに制作されたのは「マップ」「FaceTime」「LINE」の3本。「マップ」には会社社長と思しき人物、「FaceTime」には三十代の男性、「LINE」には二十代の女性が、自分の分身となる人形のキャラクター(アバター)とともに登場する。キャストは前シリーズと同じだ。
「マップ」編 |
「マップ」編では、「どこに行くにも、これ一台。どうも一途な男です」とガラケーを自慢げに見せる社長に、アバターが「道に迷い続けて30分、一途というより意固地な男です」とツッコミを入れる。続けてアバターはiPhoneの「マップ」なら、サッと道案内してくれ、最短ルートや到着時間も表示してくれると、その利便性をアピールする。シニア層でスマートフォンを持ちたいと思っている人は、必ずと言っていいほど地図機能をチェックしているし、購入後も一番使用頻度の高い機能となっているようだ。
「FaceTime」編 |
「FaceTime」編は、留学中の娘が心配になった父親が、携帯メールで連絡を取ろうとするのを、アバターが「iPhoneのFaceTimeなら、娘の顔を見ながら話せるって知ってるくせに」と、父の「本音」の部分を暴露する。
「LINE」編 |
「LINE」編は、使ってるガラケーが、友達の電話番号で一杯になってしまっているのを嘆くと、「本音」アバターが「でも、正直、全然、電話が鳴らないのが心配」と語りかけ、「LINE」アプリを使ったほうがいいんじゃない?と説く。
前シリーズと同じく、アバターが「あなた、本当はこう思っているのでは?」と応答する構成で、メインキャラクターは、本音の部分ではiPhoneを使いたい、使ってみたいと考えているのだけど、どうなんだろうと思案する設定だ。前シリーズと比較すると、ユーモラスなテイストはそのままに、ガラケーユーザーを茶化すといった面を後退させ、それより「iPhoneでしょ!」とストレートなメッセージを伝えるものになっている。
また、これまではiPhone、iOSの機能推し一辺倒だったのが、サードパーティ製品である「LINE」を前景化させるというアプローチも興味深い。みんなが使ってる「LINE」だから、みんなが使ってるiPhoneにしましょうよということなのだろうが、このCM放映のタイミングの背後でフィーチャーフォン版「LINE」の提供終了が近付いているのだ。
iPhoneの機能でクローズアップされるのは、下手に撮るのが難しい「カメラ」だろうが、それ以外にも特筆すべきところは数多くある。例えばApple Pay。対応するクレジットカード/プリペイドカードは、日本で使われているものの8割をカバーし、利用可能な店舗もどんどん増えていて、コンビニエンスストアはもちろん、レストランやセレクトショップなどでも使えるところが出てきている。設定もとても簡単で、数ステップで作業が完了するところも嬉しい。
そして、そのApple Payを安全に利用するための強固なセキュリティ機能。指紋認証のTouch IDや顔認証のFace IDでクレジットカードだけでなく、iPhoneにあるさまざまな情報を守ってくれる。加えて、置き忘れてしまったiPhoneを見つけるためのアプリまで用意されているのだ。
使い方は簡単なので、さほど困ることはないと思うが、もし分らないことがあったら、iPhoneに詳しいスタッフが電話、オンラインチャット、Appleサポートアプリケーション上、またはApple Storeでサポートしてくれる。そもそも、周りでiPhoneユーザーが多いはずなので(国内のスマートフォンユーザーの7割がiOS端末を使っているといわれている)、その人たちに聞けば、大抵のことは解決する。
そして、iPhoneは中古買取価格が最も高い端末でもあるので、結果的に割高感は薄れるはずだ。なお、Apple Storeで提供している下取りプログラムでは、現在キャンペーンを実施している模様で(終了時期は不明)、実店舗で買い取り額がアップしている。ガラケーは5,000円、他社製スマートフォンは7,000円から15,000円だ。このチャンスを有効に利用してみては如何だろう。購入の際は、12回払いまで実質年利0%で利用できるショッピングローンも選べるようになっている。
実店舗でiPhoneに機種変更すれば、ソフトバンク、au、NTTドコモ、Y!Mobile向けに設定し、写真や連絡先を移し替える作業を手伝ってくれる「パーソナルセットアップ」も利用できる。このサービスは無料で提供される。
さらに、こちらも無料、Apple Storeにて実施されている学習講座「Today at Apple」では、ガラケーユーザーに向け、購入前に家族や友人と一緒に、カメラ機能をメインにiPhoneを体験できる「PhotoWalk」が実施されている。また、「Basics」と題されたセッションも用意されていて、購入後もiPhoneの基本的な使い方を学べるようになっている。
といった具合に、至れり尽くせりでガラケーユーザーの乗換えを歓迎する体勢が整っている。新生活をiPhoneと一緒にスタートさせてみては如何だろう。