日本電信電話(NTT)は19日、自動車内の音声操作やコミュニケーションを快適にするマイク技術「インテリジェントマイク for car」を開発したことを発表した。

  • 「インテリジェントマイク for car」のイメージ

    「インテリジェントマイク for car」のイメージ

自動車内においてマイクで拾った音をスピーカから再生し、離れた座席に座る同乗者同士の会話を助ける「インカーコミュニケーション」や、音声による機器操作(いわゆる音声操作)を行う際、これまではハウリングが発生したり、遅延により音声が不自然になったり、あるいは車の走行音やカーオーディオの音などの背景音により、音声品質が劣化するという問題があった。

これに対し、今回開発された「インテリジェントマイク for car」では、電話会議装置等で培った音声処理技術を応用し、低遅延な音声処理や双方向通話を可能とする高性能ハウリング抑圧により、違和感のない自然な会話を実現している。また、適応ビームフォーミング技術により、走行音やカーオーディオなどの背景音に影響されず所望の音声だけを集音し、通話や音声操作に用いることができるため、クリアに集音された音声を通話や音声操作に利用することが可能となっている。

また、同技術は「緊急通報システム」への対応として、「ハンズフリー通話」機能も強化されている。小型マイクスピーカ端末でも音声品質を保つ工夫を加え、端末サイズを従来より70%小型化できており、同時に車両緊急通報のための音声品質の国際標準規格 ITU-TP.1140における、最も厳しい基準であるTYPE1(全二重対応:送話音声損失レベルが3dB以下)の基準を満たし、GOST-R55513にも準拠しているということだ。

  • 技術イメージ

    技術イメージ

なお、同技術は2月22日~23日にNTT武蔵野研究開発センタ(東京都武蔵野市)にて開催される、「NTT R&D フォーラム 2018」にて展示される予定となっている。