メルカリのグループ会社のソウゾウは13日、2月27日に福岡県福岡市内でシェアサイクルサービス「メルチャリ」の提供を始めると発表した。メルカリのオフラインビジネスへの展開はこれが初。注目の事業者が複数手を挙げるシェアサイクル事業の中で、メルカリらしさをどう発揮していこうと考えているのか。

  • 写真左:ソウゾウの松本龍祐代表 写真右:メルカリの井上雅意 新規事業担当/マネージャー

メルチャリを正しく理解する

メルチャリは専用スマートフォンアプリを使って、気軽に自転車を借りられるサービス。スマートフォンでQRコードを読み取り鍵を開錠、目的地近くのポートに到着したら、鍵を閉めて置くだけで返却が完了する。1人あたりの利用想定は15分程度。電車やバスなどの公共交通機関を使うまでもない、近場への移動をもっと身近にしようというサービスだ。

  • スマートフォンから簡単に操作

このように、サービスの利用イメージは、ドコモバイクシェア、モバイク・ジャパンといった先行事業者と同じ。シェアサイクルでは自転車の放置問題を防ぐ手立てが必要になるが、その点もGPSを利用し、自転車の位置を把握、サポートトラックで移動・回収を行なうという。こうした基本的な仕組みは他のサービスとほぼ同じだ。

しかしながら、この"個人"という側面からサービスを見たときに、他のサービスとは違う側面が多々出てくる。それは"個人の活用"だ。シェアサイクルで悩ましい放置自転車・違法駐輪問題に対し、メルカリでは利用者の違反報告や自主的名放置自転車の定位置への移動などを促進する仕組みを導入。これらの行動に対してメルチャリ内でたまるマイルやメルカリポイントを付与していくという。

ポートも個人から

また、サービスを拡大していくために不可欠なポートについても、個人宅や店舗の軒先など、スペースの大小を問わずに提供してもらえる仕組みを作り上げる。場所貸しに対する報酬体系はまだ決まっていないが、「自宅を駐輪ポートにして収益を上げつつ、自宅に構えたメルチャリのシェアサイクルで駅近まで移動する」といったことも可能になりそうだ。

サービス開始時点でのポート数は50、自転車は400台以上。今夏までにポート数200箇所、2000台程度の自転車の投入を見込んでいるというが、ここには上記の個人宅や店舗の軒先などのポートは含まれない。

  • メルカリらしさを発揮するためにもポートの増加が課題だ

おそらく個人のポート提供は、サービスの利便性が高まるごとに増えていくと想定される。そのためにもまずは、利便性の高いポート数をどれだけ増やしていけるかにかかっているだろう。メルカリのシェアサイクル事業を巡って、サービスの利便性の拡大とともに、メルカリらしさが発揮できそうだ。