HomePodには「iPhone 6」で採用されていた「A8」プロセッサが内蔵されており、オーディオ処理などに使われるとしているが、当然「Siri」への対応も、このプロセッサを用いてということになる。

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HomePodにマイクは6個配置されており、部屋の遠くからでもSiriに対して指示を出すことができる。声で音楽再生を行うことはもちろんのこと、ニュースや天気などの情報を取り出したり、家の中にある他のデバイスを操作できる。

このあたりは、iPhoneでSiriを使っていれば、特別に覚える操作はない。ただし、SiriはHomePodで再生される音楽から好みを学習していき、DJを指示したり、音楽のジャンルを指定して音楽再生を命じていくうちに、ユーザーが心地よいと思う選曲をしてくれるようになるという。

デバイスの上部にはタッチボタンが用意されており、中央部分にはSiriのアニメーションが表示される。HomePodへの直接の操作は、+ボタン、−ボタンで音量の調節が行えるほか、タップで音楽の再生と一時停止、ダブルタップで次の曲、トリプルタップで前の曲というのはiPhone付属イヤホン「EarPods」でのリモコンでおなじみの操作だ。

加えて、タッチボタンを長押しすることでSiriへのコマンドを喋ることができる。こちらも、Apple TVに付属するリモコンでのSiriへの操作と同じだ。さらに、Hey Siriと呼びかけて指示を出すこともできる。Apple製品ユーザーにとっては、HomePodを手に入れて、新たに覚えなければならない操作はないのだ。このあたりが、AmazonやGoogleとの違いであり、AppleがHomePodでSiriを前面に押し出さなくても良い理由だ。

現在スマートスピーカーの普及に努めている企業は、Amazon EchoやGoogle Homeの成否が、デジタルアシスタントとの接点作りに直結する。しかしAppleは既にiPhoneやiPad、Mac、Apple TV、そしてApple Watchに至るまで、Siriが利用できるデバイスを販売してきた。

Siri自体の進化の歩みは驚くほどゆっくりであるが、Appleは自社の音声アシスタントを、そのデバイスで適切な範囲で利用すれば良い。HomePodの場合は、音楽再生に加えて、スマートホームデバイスの操作程度で十分であり、モノが買えたり、冷蔵庫の中身を記憶してくれる必要はないと考えているのだ。