―― KDDI(au)以外のキャリアはどうでしょう。

呉波氏 : それに関してはコメントできません。2007年から日本の端末ビジネスに参入して以来、キャリア市場がメインで一番の収入源です。KDDI(au)からスマートフォンを発売するのは初めてですが、ドコモやソフトバンクとは一緒にやっています。希望としては、すべてのチャネル(キャリアやSIMフリー市場など)を通して、ファーウェイのスマートフォンをユーザーに届けられればと思っています。

日本のSIMフリー市場への取り組みが減ることはなく、さらに拡大することを宣言しておきます。これは、私が日本からいなくなっても、後継者が間違いなくそのポリシーに沿って続けていきます。

ファーウェイのスマートフォンビジネスは、グローバルでオープンマーケットをメインにしています。ファーウェイのスマートフォンは必ず、オープンマーケットに向けて異なるユーザー層に合わせて作られています。そのため、さらに力を入れていきます。

  • PORSCHE DESIGN HUAWEI Mate 10
  • PORSCHE DESIGN HUAWEI Mate 10
  • CESにおいて米国向けのファーウェイ端末として発表された「PORSCHE DESIGN HUAWEI Mate 10」

―― ドコモとZTEは共同開発したスマートフォンを海外でも販売しようとしています。

呉波氏 : 実は、日本のキャリア向け端末は、キャリアと共同開発したものです。nova 2も、ファーウェイのnovaシリーズですが、グローバルのnovaシリーズとは本質的に違います。日本でスマートフォンを手がけるには、キャリアの要望に添って作る必要があるため、共同開発になります。

具体的には、ソフトウェアがまったく違いますし、UI、電話帳、SMSなど、下位レイヤーのプロトコルも違います。VoLTEもキャリアごとに違います。こうした部分も、共同開発が必要になります。

ドコモのdtabやソフトバンクのSoftBank Airは、両社がコンセプトから開発したものです。キッズケータイも同様で、3世代連続でファーウェイが扱っています。昔のデジタルフォトフレームは、ソフトバンクからの提案でした。そのために、孫正義社長のところに話をしに伺ったこともあります。

日本のキャリアとの開発で得たものを、グローバル端末にフィードバックしたこともあります。例えば、HUAWEI Mate 10 Proの防水機能もそうです。

  • HUAWEI Mate 10 Pro
  • HUAWEI Mate 10 Pro
  • Mate 10 Proは、日本のユーザーニーズを意識して開発された端末

―― 日本のサービスといえば、FeliCaを使った非接触タイプのマネーサービスはいかがでしょう。

今後はFeliCaにも対応しますが、前提としてクラウドサービスをしっかり作る必要があります。SIMフリースマートフォンでは、日本向けにもファーウェイのクラウドサービスを提供する計画があります。