スマートスピーカー選びにおける最大のポイントは、どのプラットフォームを採用しているかということです。実質的な選択肢は現状「Amazon Alexa」と「Google アシスタント」の2つですから、どちらが自分の"やりたいこと"にかなうか見極めるのが先決です。
オンキヨーが発売した「P3 (VC-PX30)」は、Amazon Alexaに対応したスマートスピーカーです。Amazonでオンラインショッピングができること、Amazonプライム会員であれば無料の音楽聴き放題サービス「Amazon Prime Music」を使えることが、Alexa対応機の独自性でありメリットといえるでしょう。ニュースや天気予報の確認など、基本的な機能もAmazonブランドの機種「Amazon Echo」などと同じです。
Alexa対応スピーカーは、Google アシスタント対応スピーカーとの比較でいえば、Apple製品との連携に強みがあります。iCloudカレンダーに標準対応しますから、iPhoneやiPad、Macで登録したスケジュールは「アレクサ、今日の予定は?」と尋ねれば日本語で答えてくれますし、イベントの登録も口頭で指示できます。しかも、共有しているiCloudカレンダーを対象にできますから、筆者宅では家族のスケジュール管理にさっそく活用しています。
Amazon Echoシリーズに対するP3の強み
オンキヨーのP3も、タイマーやアラームの設定、買い物リストへの登録などの機能もAmazon Echoと同等に利用できますが、やはりP3に期待するのは「音」の部分です。スケジュール管理やTODOリストの作成であれば、小さな「Amazon Echo Dot」でも用が足りるわけですから、「音質」こそがP3の身上と言えるでしょう。
スピーカーとしては、2基の2.5インチ (64mm) フルレンジウーファーを出力10W×2chのアンプで駆動し、背面に2基設置した105x59mmのパッシブラジエーターで低域を補完するという構造です。スピーカーユニット間の距離が近いこともあり、ステレオ感は左右セパレートのスピーカーにはかないませんが、量感ある低域を楽しませてくれます。
Alexaだけではない、DTS Play-Fiにも対応
Amazonブランドの製品に対する「プラスα」も用意されています。そのひとつが「DTS Play-Fi」への対応で、P3のホームスピーカー/オーディオ機器としての可能性を大きく広げます。スマートフォンアプリ「ONKYO Music Control」を通じる形にはなりますが、SpotifyやTIDAL、Deezerといったストリーミングサービスが利用できることに加え、NAS (ネットワーク対応HDD) に保管された音源の再生 (DLNA/DMP機能)、スマートフォン上の音源の再生にも対応します。