このほか、電子書籍で購入するメリットとしては、コミックなどで同じ巻を二重に買ってしまうのを防げる、最低限スマホさえあればいつでもどこでも読める、などが挙げられます。また外出前や旅行前にどの本を持っていくか悩む時間を減らせるのも、筆者個人としては非常に助かっています。

デメリットとしては他人に貸しにくいことが挙げられますが、本そのものを貸せないことよりも、友人と会って本の話をしている時に、まさにその場でダウンロードして「これ」と見せられることのほうが、コミュニケーション上は便利ですし、かえってメリットになると思っています。

ひとつのストアにまとめた方が探しやすい

ちなみに仕事柄、さまざまな電子書籍ストアのアカウントを保有していますが、ストアは極力一つにまとめることをおすすめします。理由は簡単で、蔵書が複数のストアに分散すると検索性が低下するからです。とくにコミックや小説といった同じカテゴリの中で複数のストアに分散させると、どこに探しに行けば目的の本を見つけられるか、直感的に分からなくなってしまいます。

もちろんストアを統一することにはリスクもあって、その電子書籍ストアが廃業したり、あるいは何らかの理由でユーザアカウントの停止に追い込まれた場合、一気に読めなくなる危険性もあります。とはいえ、実際にそれらが起こる確率と利便性を天秤にかけて考えた場合、あまり神経質になる必要はないというのが筆者の考えです。

  • 電子書籍リーダー

    現在筆者が使用している電子書籍ストアを、頻度が高いものから並べてみました。といっても新規にコンテンツを購入するのはほとんどがKindleで、それ以外は実質、過去に購入したコンテンツを読むためにしか使っていません。ちなみにKindleの蔵書数は2,000を超えています

ただしそのためには、どの電子書籍ストアを利用するかは、しっかりと見極めるべきです。その事業者の過去のふるまいから見て、サービス終了時に「後は野となれ山となれ」的な対応をしそうな事業者は極力避けるべきでしょう。

おそらく、このあと何年かのうちにちょっとしたストアの統廃合があり、いくつかの事業者が姿を消すことになると筆者は予想しています。それゆえ、すでに何冊か買ってしまったという理由でだらだらと使い続けるよりは、それらをサンクコストと割り切って、ある程度規模の大きいストアに集約していくのも手かなと思います。