コンビニや飲食店、雑貨店など、アニメ作品と異業種がタイアップしたキャンペーンは年々広がりを見せている。そんな中、12月15日より、解熱鎮痛剤「バファリン」と劇場アニメ『KING OF PRISM -PRIDE the HERO-』(以下『キンプリ)とコラボレーションしたキャンペーン「BUFFERIN OF PRISM」が展開されている。
内服薬とアニメのコラボレーションは目新しく、またキャラクターグッズではなくARコンテンツを提供するのも特徴的だ。このキャンペーンを展開した狙いや、ARコンテンツにこめたこだわりについて、ライオンの広報担当者に聞いてみた。
――アニメと市販薬のコラボレーションは近年いくつか行われるようになってきていますが、外用薬ではなく頭痛薬とのキャンペーンは目新しく感じます。「バファリン」と「キンプリ」のコラボレーションのきっかけは何だったのでしょうか?
痛みをガマンして大切な時間を失うのではなく、きちんと鎮痛薬を理解し対処することで、快適な時間を過ごして欲しいという想いが、今回のキャンペーンのきっかけでした。頭痛や生理痛に悩んでいる方の中には、服薬せず痛みを耐えてしまう「我慢層」が存在します。その理由は、薬への副作用不安や耐性不安が大半です。そこでまず、鎮痛薬への理解を深めていただきたいと思いました。
また、当社で調査したところ、鎮痛薬を服用している方でも、約8割の方は鎮痛薬の違いがよく分からない状態で購入されています。自分に合った薬を選ぶためにも、その特長を理解しておくことは重要なことです。そこで、「バファリン」を通じて楽しみながら鎮痛薬を理解し、我慢せずに自分に合った薬を正しく活用していただくために、キンプリとのコラボ×AR技術を活用したキャンペーンを実施しました。
――ARコンテンツに登場するキャラクターのCGモデルは、映画の中で使われたものを元にしているのでしょうか。
はい。映画で使用された3Dモデリングデータを元に、今回のタイアップ用に調整を加えております。
また、キャラクターの衣装は、バファリンのパッケージをもとに配色し、新たに描きおろしていただきました。それぞれのスタァのキーカラーも入れ込んだりと細かい部分の仕様にもこだわりを詰め込んでおります。豪華声優陣の録りおろしボイスでの演出も合わせてお楽しみください。
――各商品のパッケージをARマーカーとしてコンテンツの出し分けをされていますが、キャラクターがパッケージの箱や接地面(机など)に座っているような動作をしているのが印象的でした。箱のカドなどをマーキングして合成しているのでしょうか。
おっしゃる通り、パッケージに触れる、座る、隠れるなど、ARで登場するキャラクターがパッケージにかかることで、まさにその場にいると感じられるように力を入れました。
技術について、カメラ画像から角を検出して、その場所に3Dモデルを出すような処理はしていません。その代わり、モーションキャプチャの現場に、それぞれのパッケージの代わりとなる幅170cmの箱を3種類用意し、実際にその箱に座ったり、登ったり、飛びこえたりするモーションを撮影することで、パッケージの角や床に合わせたモーションに仕上げました。
――新規でモーションキャプチャを行って制作されたんですね。
そうです。また、パッケージの正面をARマーカーとして登録しており、上面や側面などは正面の画像の見え方から場所を割り出しています。奥行きについては、錠剤の数ごとに違うので、そこは一部特殊な処理をしています。
――各キャラクターが薬の有効成分の「役」になりきっていますが、キャラに製品特徴を説明させるだけではなく、こうした設定にした狙いは?
「BUFFERIN OF PRISM」に登場する「キンプリ」のキャラクター
狙いは3つあります。ひとつ目は、自分に合った鎮痛薬を選んでいただくために、鎮痛成分を知ることが重要だからです。
鎮痛薬に含まれる鎮痛成分には、大人用(15歳以上)として主にイブプロフェン、ロキソプロフェン、アスピリン、そして子供も飲めるものとしてアセトアミノフェンがあります。やはり薬なので成分によって体質に合う・合わないがあり、自分に合った鎮痛薬を選んでいただくためにも、これら成分を知っていただくことはとても重要な事だと考え、成分とキャラを結び付けた設定にしました。
ふたつ目は、バファリンシリーズの理解を促進することです。どの製品も同じ成分でできていると思われがちですが、実はそうではなく、「用途に合わせて“選べる有効成分”を配合したラインナップ」がバファリンシリーズの特長です。そしてもうひとつ、「すべての大人用バファリンに、胃を守る成分が配合されている」ことをお伝えしたいと考えました。
こうした製品の特長をわかりやすく伝えるべく、鎮痛成分と胃を守る成分を擬人化させ、キャラに当てはめました。実際、SNSでは、「バファリンはロキソプロフェン配合のものもあったんだ」「バファリンは私たちの胃も守ってくれているんだ」というコメントも見受けられ、製品への理解も深まったと感じています。
――アニメのキャンペーンでは版権イラストを利用したパッケージの展開や版権イラストを活用した景品の配布が多いですが、そうしたモノを介したアプローチではなく、ARコンテンツというコトの提供を行った理由はどこにあったのでしょうか?
景品やコラボパッケージも購買促進にはなりますが、薬の正しい情報を届けるのは難しいという側面もあります。今回はARというテクノロジーを通した体験価値を提供することで、頭痛や生理痛など痛みをガマンすることで生じるQOL(Quality of life)低下への気づきや、バファリンの正しい情報を届けることにフォーカスしました。結果として、SNS上で好印象な反応やバファリンへのパーセプションチェンジ(認識変化)、購買への態度変容なども起こっています。
薬はあくまで身体の不調というマイナスの状態をゼロに戻すことを期待して使われているかと思います。ですが、マイナスからプラス(みんなを元気に、笑顔に変えられる)になるようなこともできるのではないかということを考え、これまでの頭痛や生理痛などによる痛みへの機能訴求といったコミュニケーション以外にも、バファリンのコミュニケーションを通して多くの人が笑顔になってもらえるような、新しい体験価値の提供にトライしました。
――最後に、「BUFFERIN OF PRISM」が気になっている読者に一言お願いします。
「BUFFERIN OF PRISM」によって、痛みに悩んでいる方にまずは鎮痛薬を知って、理解していただき、自分に合った薬を見つけるためのお手伝いが出来ればと思っています。みなさまの大切な時間を無駄にしないためにも、痛い時は我慢しないことが一番! 鎮痛薬を上手に活用し、快適な毎日を過ごしてください。
「BUFFERIN OF PRISM」
専用アプリをスマートフォンにダウンロードし、対象商品にスマートフォンをかざすと、期間中いつでも、製品に応じたキャラクターのオリジナルメッセージが再生できます。お正月やキャラクターの誕生日などに特別ボイスの更新も予定しています。対象商品など詳細はキャンペーンサイトにて。
実施期間:2018年2月14日(水)23:59まで。
(c)T-ARTS / syn Sophia / エイベックス・ピクチャーズ / タツノコプロ / キングオブプリズムPH製作委員会