米Microsoftは12月19日 (現地時間)、PC用の「Windows 10 Insider Preview Build 17063」をWindows InsidersプログラムのFastリングにリリースした。ユーザーのアクティビティを記録し、異なるデバイスでもアクティビティを再開できるようにする「Timeline」、Microsoft EdgeのService Workerサポートを含む重要なビルドとなっている。

Timelineは使用中のPCだけではなく、他のWindows PCやiOS/Androidデバイスで開始した過去のアクティビティを再開できるようにする。タスクビューに統合された標準の表示では、現在のアクティビティに関連する、その日に行ったアクティビティや過去の日のアクティビティのスナップショットが表示される。標準表示で目的のアクティビティが見つからない場合は検索を使って絞り込める。また、Cortanaもユーザーが必要としていると思われるアクティビティを提案してくれる。

アクティビティはアプリケーションと、そのアプリを使用していた時のコンテンツ (Webページ、ドキュメント、記事、プレイリスト、タスクなど)のリンクで構成される。アクティビティの再開にはアプリケーションの対応が必要であり、Build 17063ではEdge、Word/Excel/PowerPoint、OneNote、最新のUWP版のマップやニュース、マネー、スポーツ、天気に限られる。Microsoftは開発者に対して、Timeline対応にアプリケーションをアップデートするように呼びかけている。

  • タスクビューにTimeline

    タスクビューに、Timelineで関連するアクティビティが表示される

複数のWidows PCでTimelineを使用すると、どのPCでも、そのユーザーの同じアクティビティが表示される。1台だけにインストールしてあるTimeline対応アプリを使ったアクティビティを、他のPCで再開しようとした場合、Windowsは対応アプリのインストールを促す。

Build 17063のMicrosoft Edgeは、Service WorkersとPushおよびCache APIをサポートする。これらによって、Edgeを開いていない時でもバックグラウンドでデータがリフレッシュされ、Webページからのプッシュ通知がアクションセンターに表示される。Cache APIによって、対応するWebページがオフラインでも動作するようになり、またローカルのキャッシュデータを用いることで動作が向上する可能性がある。他にも、高精度タッチパッドでのジェスチャーが改善され、タッチスクリーン・デバイスで行うのと同じように、高精度タッチパッドを用いてマルチタッチでWebページを操作できる。

  • Edgeのダークテーマをアップデート

    Edgeのダークテーマがアップデートされた

今月「Snapdragon Tech Summit」において、ASUSとHPが初のAlways Connected PC製品を発表したが、Build 17063ではセルラー利用に関する設定で「常に」または「Wi-Fi通信が弱い時」にセルラーを優先させる設定が用意された。

これらの他にも、Cortanaのノートブックの改善、日本語を含むアジア言語でのアプリケーション・リストの表示改善、ローカルアカウントのセキュリティ質問、新しいキーボード設定ページ、地域&言語設定ページの改善など、数多くの機能追加、変更、改善が行われている。それらの詳細については、Windowsの公式ブログの「Announcing Windows 10 Insider Preview Build 17063 for PC」で確認できる。

  • 日本語のアプリリストが簡素化

    左2つは現在の日本語でのアプリ・リスト、長くてブラウズしづらい。右は新しいシンプルなアプリ・リスト。