Qualcommがハワイで開催中の「Snapdragon Tech Summit」の基調講演に米MicrosoftでWindows & Devices部門の上級役員であるTerry Myerson氏が登壇。SnapdragonでのWindows 10サポートを改めて表明するとともに、ネットワークへの常時接続を前提としたAlways Connected PCをアピールした。
Microsoftは2016年12月にARMベースのプロセッサにおけるWindows 10サポートを発表。Qualcommがパートナーシップを締結し、フル機能のWindows 10をSnapdragonで動作させるとともに、モバイルに適し、省電力・常時接続可能なPCを実現するとしていた。
Always Connected PCはMicrosoftが推進するモバイルPCで、本体にモデムを内蔵し、いつでもどこでもネットワークにつながる常時接続を前提とする。
Myerson氏は、Always Connected PCを「新しいカテゴリのPC」と表現。その特徴として「スリープからの高速復帰(Instant ON)」「常時インターネット接続」「長時間のバッテリー駆動」と説明する。
いつでもどこでもネットワークに接続されることで、社内、顧客先、移動中などでも作業可能で、生産性を向上するほか、通信に4Gを使うことで高いセキュリティを確保、企業内におけるWi-Fiなどのネットワーク投資を抑えられるという。
Snapdragon搭載のAlways Connected PC第1弾はASUS、HP、Lenovoから
既報の通り、Snapdragon Tech SummitではデバイスメーカーとしてASUSとHPが登場し、Snapdragon搭載のAlways Connected PCを発表した。両社ともにGigabit LTE対応モデムによる常時かつ高速の無線と20時間を超えるバッテリー駆動時間をアピールする。
一方で性能に関する具体的な言及がないことも印象的だ。会場では実機にふれることができたが、インストールされているMicrosoft Officeアプリケーションや、Edgeなどの動作には特に問題を感じかなった。
SnapdragonでサポートされるWindow 10ではUniversal Windows Platform(UWP)アプリに加えて、x86向けの32bitアプリケーションが動作するとのことだが、今回展示された製品はいずれも搭載OSがWindows 10 Sだったため、ベンチマークソフトなどでの検証はできなかった。
Always Connected PCのパートナーには、QualcommだけでなくIntelも名を連ねている。また、AMDもQualcommとパートナーシップを結び、Ryzen Mobile搭載システムでSnapdragon LTEモデムをサポートを表明していることから、近いうちに、x86 CPU搭載のAlways Connected PCが登場するはずだ(実際にASUSが"kukuna"という開発コード名の製品を開発している)。両者の違いも気になるところだ。
もしかすると、Snapdragon搭載モデルは駆動時間重視、X86 CPU搭載モデルはパフォーマンス重視といったように住み分けるのかもしれない。