発表会では、11月1日付けで買収したFREETELのMVNO事業継承についても言及。端末販売事業のほうは、引き続きFREETELの運営会社であるプラスワン・マーケティングが行います。通信事業については、2018年1月15日以降にすべて、楽天ブランドに統合します。通信事業のサービス内容はそのままで、一部の名称だけが変更に。たとえば、「FREETEL SIM 使った分だけ安心プラン」は、「使った分だけ安心プラン」となります。

  • 通信事業は、2018年1月15日以降に楽天ブランドに統合されます

  • サービス内容はそのままで、一部の名称だけが変更となります

楽天ブランドへの統合後もFREETELユーザーへ継続利用を促すため、11月末にデータ通信速度を増速。また2018年春をめどに、「FREETEL でんわ」を「楽天でんわ」と同じ回線に統合します。

  • データ通信速度が上がっています

FREETELユーザーには、楽天が力を入れるスーパーホーダイへの特別優待プログラムも実施。優待プログラムを利用してスーパーホーダイに加入すると、MNP転出手数料(税別3,000円)と契約事務手数料(税別3,394円)がかかりません。さらに月額基本料を初月は無料に。その後も1年間は利用料金を500円を割引きます。

  • スーパーホーダイへの特別優待プログラムも実施します

発表会後の質問では、FREETELのサービス「とりかえ〜る」に関する質問が相次ぎました。とりかえ〜るは、契約開始月を含め6カ月以上FREETELで購入したスマホを利用すると、残りの残金を払わずに新しいスマホに機種変更ができる有料サービスです。サービスの提供主は今後楽天モバイルに、ですがここで交換できる端末は、楽天モバイルとFREETELのどちらが提供するのでしょうか。

楽天モバイルによると、端末を交換するのはプラスワン・マーケティング。「端末を交換したい場合は、プラスワン・マーケティングの窓口へお願いします」とのことでした。残念ながら、楽天モバイルが取り扱う端末は選べません。

  • 「とりかえ〜る」(FREETELのWebサイトから)

このほか、大手キャリアによる値引きやサブブランド登場によって、MVNO事業への影響はあるのかという質問が。大尾嘉氏は、「はっきり言ってしまうと、ある」とやや困り顔。ただ、サブブランドにしようとしているユーザーに、楽天モバイルの魅力を説明すると、楽天モバイルを選ぶ人は多いといいます。「現場でスイッチさせる」ことが重要だと力説しました。

MMD研究所の最新データによると、格安SIMという言葉を知っている人が89.1%、どのようなサービスがあるか知っている人が59.2%、内容を理解しているという人が47.5%。ほぼ半数近くがサービス内容を認知するまで広がっています。

一方で、2017年9月の時点で、格安SIMの利用検討者は24.1%、利用経験者は15.9%、継続利用(2台持ちを含む)は14.3%。利用継続者は半年で2.2ポイント上昇していますが、利用検討者は1年で22.6%から24.1%とほぼ横ばいです。

伸び悩むMVNO業界の中で、楽天モバイルは契約回線数が140万回線を突破したことを強調します。しかし、楽天モバイルの事業戦略を打ち出した2014年10月29日の発表会で、1,000万契約を目標にすると話していたことを考えると、それにはまだ遠く及びません。楽天モバイル単体で100万回線を突破するのに3年間かかったことを踏まえると、1,000万に届くには単純計算で30年かかってしまいます。「1,000万回線の目標は忘れてしまったのか」と尋ねると、「目指してはいる」と、2014年の発表会に比べてやや弱気にも見えます。今後は楽天シナジーを生かした、独自の安くて魅力的なサービスや料金プランの提供に期待がかかります。