台湾に次ぐ海外店はどこに?

加えて、今期中には台湾に続く第3、第4の海外展開についても検討を進める。検討対象エリアについては「いくつかのシナリオを持っている」とし、具体的にはしていない。

しかし、今年7月(取材時点)に水留社長が本誌に語った海外展開の考え方を知れば、欧米への進出は考えづらいことが見えてくる。「米食」「生食」の両方が浸透した国への進出の可能性が最も高いと見られる。そうした国々では、欧米のように寿司が年1回食べるスペシャリティフードではなく、気軽に利用できるレストランという位置づけになるからだ。

台湾の進出計画をみても、中価格ゾーン、数十店規模と、多くの人に親しまれる味を目指していることは明らかだ。こうしたターゲットこそがスシローグローバルホールディングスの持ち味を生かせる対象となっていくだろう。

いずれにせよ、まずは台湾で成功を収めることが重要になる。くら寿司、はま寿司などがすでに台湾に出店しており、時にはライバルになることもありそうだ。日本で売上ベースでナンバーワンとなった同社ではあるが、台湾ではどのように受け止められるだろうか。台湾での成否が次なるエリア展開に影響も与えそうだ。