三菱電機は、高密度三次元レーザと高解像度ラインカメラを搭載し、道路・鉄道・トンネルの高精度な計測・解析が可能な「三菱インフラモニタリングシステムII」(以下、MMSD II)による設備の計測・解析サービスを11月6日より開始した。

三菱インフラモニタリングシステム II(MMSD II) 計測車両

同サービスは、昼夜を問わず、交通規制を行わずに道路や線路上を走行しながら道路・鉄道・トンネルの計測を行い、社会インフラ点検業務の負荷軽減を実現するもの。

MMSD IIでは、自動焦点機能を搭載した8Kの高解像度ラインカメラとレーザ照明により、走行しながらトンネル全周の高精細画像を撮影するとともに、ボルト取り付け状態、漏水状況やひびなどの確認を目視と同等の精度で実現する。なお、鉄道線路の走行装置を装備し、道路・鉄道どちらにも適用できる。

また、高密度三次元データで構造物・設備の現状を正確に把握し、効率的な点検を実現する。毎秒100万点の計測が可能な高密度レーザを2台搭載し、ミリ単位の精度で位置座標(緯度・経度・標高)を持つ毎秒200万点相当の高密度三次元点群データを収集する。設計図面や工事完成図が古い場合や存在しない場合でも、計測した三次元データから構造物の現状を正確に把握する。また、同一場所における過去の計測データとの比較により経年変化を検出し、点検箇所を絞り込める。

さらに、幅0.3mmのひびの自動検出や、次元データ解析結果とひび解析結果からひびに起因するうき・はく離等の変状の自動検出、さらに検出した結果を変状展開図に自動で反映し、手作業で作成していた点検時用、設計時用などの図面作成作業時間を削減できるのが特長だ。

同社では、計測解析項目をさらに広げるため、橋梁などの計測に必要なセンサー等の開発や、トンネル壁面内部の空洞など目に見えない変状の計測解析技術開発に取り組むという。そして、サービス提供範囲の拡大を図り、さまざまなインフラ点検業務の負荷を軽減し、社会インフラの安全性の向上と長寿命化に貢献していくということだ。