米国ネバダ州ラスベガスで開催されたAdobe Max 2017。初日、2日目に「General Session」という基調講演が用意されているほか、Adobeの各製品の最新情報や、クリエイターによるプレゼンテーションなど、クリエイティブに関する情報が活発に交換される。

今回は最大規模となる12,000人以上が参加し、購読型サービスへと移行しコミュニティを拡大してきたCreative Cloudの拡がりを実感させる熱気が伝わってきた。初日の基調講演は製品の紹介など、テクノロジーの話題が中心となるが、2日目はアーティストによるトークが準備されている。どちらかというと初日は左脳、2日目は右脳を使って、セッションを楽しむような構成だ。

今年は、陶芸家/デザイナーとして活動するジョナサン・アドラー、俳優/映画監督のジョン・ファヴロー、ナショナルジオグラフィックの女性フォトジャーナリストとして活躍するアニー・グリフィッツ、Uptown Funkが大ヒットしたDJ/プロデューサーのマーク・ロンソンが登場し、それぞれの作品制作やクリエイティブであること、テクノロジーとの関係性などについて語った。ちなみにマーク・ロンソンは2日目の夜に用意されている屋外パーティー、バッシュでもDJとして登場し、会場を大いに沸かせた。

2日目の夕方に基調講演会場で行われるイベントは、毎年多くの参加者が楽しみにしている「Sneaks(スニークス)」だ。来場者はビールを片手に着席し、Adobeで行われる様々な研究開発によって生まれた、まだ製品に実装されていない機能を、興奮を隠さず楽しむのだ。

Adobe Creative Cloud製品は、作品を制作するためのツールであり、多くの場合、1つもしくは複数のアプリを組み合わせて、画面上の編集作業によって作品を完成させる。大きなコンセプトで作り始めることもあれば、1ピクセルにこだわりながらの単純な作業を行うこともある。

Adobeは、同社の人工知能Adobe Senseiの技術群によって、クリエイターにとっての「作業」に分類される時間を大幅に短縮することを目指している。3時間かかっていた単調なタスクをAdobe Senseiが3分で済ませてくれる、そんな機能の実現をだ。Sneaksで披露されるテクノロジーも、Adobe Senseiとして将来実装されるかもしれない、単純作業をワンタッチで済ませる魔法のような機能ばかりだった。