島津製作所は、被ばく低減と治療デバイスの視認性向上に寄与する新しい画像処理技術の導入や多機能カテーテルテーブルとの連携などによって、心臓や頭部、腹部から下肢まで全身領域における血管内治療をサポートする血管撮影システム「Trinias(トリニアス)」シリーズ「unity edition(ユニティ エディション)」計10モデルを発売した。

血管撮影システムは、狭心症や心筋梗塞などにおけるカテーテルを用いることで、メスを入れる外科治療と比較して、低侵襲を実現できるインターベンションや血管系疾患の検査時などに使用されるX線撮影装置だが、治療デバイスの微小化や高度化、血管造影剤の低減、手技の確立が進んできた近年、さまざまなデバイスを用いた多様な部位の治療や検査に対応できる操作性を備えた低線量かつ高画質な血管撮影装置が求められるようになってきたといのことで、同社では、患者と術者の負担を軽減し、心臓だけでなく頭部や腹部、下肢などの領域もトータルに支援することを軸に同製品を開発したとする。

同製品は、造影剤による血管造影後の画像から造影前の骨や臓器の像を減算処理して血管のみの像を得るデジタル・サブトラクション血管造影法において、観察部位の動きによって発生するアーチファクト(虚像)を3次元で自動補正する新技術「Flex-APS」を使用可能にしたほか、一度の造影で撮像した画像をつなぎ合わせて下肢全体を表示する「SCORE Chase」を新たに利用できるようにしたことで、治療の安全性向上や治療時間の短縮を図ることが可能になったという。

また、チルト機能を生かした柔軟なテーブルポジショニングが可能な多機能カテーテルテーブルとの連携を実現。これにより手技や手法に合わせて手元のタッチパネルコンソールから装置の機能切り替えや表示画像の選択が可能になったほか、下肢領域などを広範囲に撮影する際に有効な16×12インチの大視野FPDに対応するモデルをラインアップに追加することで、選択の幅を広げたという。

さらに、同社では銅製品について、従来製品から、落ち着きや安らぎをもたらすカラーデザインに改めたほか、製造から品質検査までの全工程を本社工場で一貫して行う国産装置として高い品質を追求したと説明している。

血管撮影システム「Trinias C16 unity edition」