ジェンダー平等をテーマにする「HeForShe」のロゴ

「ジェンダー平等」という言葉がよく聞かれるようになった。“ジェンダー”とは、男女の社会的性差のこと。性差による格差をなくすというのがジェンダー平等の考え方だ。現在、世界的な課題として国や企業、アカデミアが取り組んでいる。

もともとジェンダー平等の取り組みは、“女性のために、女性が活動する”というイメージが強かった。だが現在は、男性の活動も目立つようになり、世界的なうねりになりつつある。

学生たちが主役のシンポジウム

このジェンダー平等の象徴的なキャンペーンが「HeForShe」(ヒー・フォー・シー)。このキャンペーンは、国連機関であるUN Womenにより立ち上げられた。2014年9月に当時の国連事務総長とエマ・ワトソンUN Women親善大使により発表されて以来、賛同者が増え、2017年2月現在で世界120万人の署名を集めている。

先陣を張った群馬県立中央中等教育学校のプレゼン。すべて英語で驚いた

そのキャンペーンのシンポジウムが、国連大学内の「ウ・タント国際会議場」で行われた。「~Generation Z~からの提言」と銘打たれたこのイベントの主役は学生たち。ジェンダー平等について、自分たちのアイデアや提案をプレゼンテーションするのが、このシンポジウムの内容だ。

とにかく参加校が多かった。群馬県立中央中等教育学校、中央大学、名古屋大学、お茶の水女子大学、郁文館夢学園グローバル高等学校、名古屋大学教育学部附属中・高等学校、愛知県立旭丘高等学校、立教女学院中学校・高等学校の8校が国連大学に集まった。

正式なアナウンスはなかったが、プレゼンの見学者は約300人ほどいただろう。男性の姿も多く、ジェンダー平等への関心の深さが伝わってくる。ジェンダー平等という考え方を広く伝えるというこのシンポジウムの目的は、果たされたといえるだろう。