グーグルは10月4日、「Made by Google」イベントを開催し、最新のスマートフォンやスマートスピーカー、2-in-1ラップトップなどの自社ブランドのハードウェアを発表した。グーグルのハードウェア拡充は、同社の戦略上、どのような位置づけにあるのか、読み解いていこう。ハードウェアだけを見ていくと、結果的に「全方位」での対決の様相を呈しているが、グーグルの狙いはもう少し別の場所にある。
スマートフォンは「iPhone以上」のカメラを搭載
今回のイベントの目玉となったのは、最新のスマートフォンである「Pixel 2」だ。有機ELディスプレイを搭載し、5インチと6インチの2つのサイズで登場するスマートフォンは、アルミニウムとガラスの質の高いボディに包まれた、非常に完成度の高い製品となった。
グーグルが強調していたのは、カメラ機能だ。カメラの評価の指標となっているDxOMarkのスコアは、iPhone 8 Plus、GALAXY Note 8が94であったのに対し、Pixel 2は98を獲得し、スマートフォンカメラとしては最高点を叩きだした点は、インパクトが大きい。
カメラを通じてイベントチケットの予約ができたり、目の前にある知らない花の名前を知ったりするなどスマホの使い方を大きく変えうるのがGoogle Lensだ(画像:Google Official Blog5月17日投稿より) |
Pixel 2は背面、前面ともに1つのカメラでありながら、高速に撮影する複数の写真を活用して被写体を認識して画質を向上させたり、被写体と背景を分離して背景をぼかすポートレート写真を作り出したり、またビデオでの手ぶれ補正を強化するなど、ハードウェアとソフトウェア処理の高度な融合を実現している。
グーグルによると、こうした画像処理に、これまで培ってきた機械学習モデルが生かされているという。
またアップルがiPhone 8とiOS 11で強調したように、拡張現実への対応も行われている。
Google Lensは5月に発表したカメラを用いて検索やアシスタント機能を提供する拡張現実の活用アプリだが、Pixel 2がGoogle Lensに初めて対応するデバイスになる。
加えて、Daydream Viewを用いて、仮想現実アプリを楽しむ事もできる。現在Androidスマートフォンができうる全てのことを、シンプルなハードウェアで実現している点がPixel 2の魅力となる。