グーグルは今回のPixel 2に合わせて、ワイヤレスヘッドフォン、PixelBudsを発表した。このヘッドフォンにはリアルタイム翻訳機能が入っており、相手の声を自分の母国語に変換して聞き、自分が喋った声を相手の母国語に変換して伝える同時通訳を体験できる。
こうしたアプリをグーグル自身が用意していち早く体験させることができるのも、自前のハードウェアを用意した効果といえる。
これまでのスマートフォンビジネスにおいては、高付加価値のスマートフォン販売と、OSを含めたプラットホームを生かす開発者がビジネスを展開するアプリストアからの収益を向上させる、アップルの戦略が成功しており、今後も一定の成果を収め続けることが期待される。
その一方で、人工知能や拡張現実などの新しい体験を届けていく際、アップルのやり方では具体的なシーンを作り出す「アプリ」の登場を待たなければならず、体験にすぐにつながりにくい。これが、アプリ部分を統合していないアップルのモデルの弱点となり始めた。
これに対しグーグルは、ハードウェア、OS、人工知能、アプリという完全な垂直統合モデルを構築し、いち早く未来の体験を届けるブランドへと変化し始めた。どちらの方法論がより成功するのか、注目していくと良いだろう。