住友金属鉱山と加賀電子は、住友金属鉱山が加賀電子の子会社であるサイコックスの株式の51%を取得することで合意し、10月2日付で株式譲渡契約および合弁契約を締結したことを発表した。なお、株式譲渡の実行および合弁の開始は10月30日を予定している。

SiCは、次世代のパワー半導体として、特にハイブリッド車(HEV)や電気自動車(EV)などの駆動制御装置で要求される大容量領域(大電流・高耐電圧)において、市場の成長が見込まれている。サイコックスは、SiC多結晶基板上にSiC単結晶基盤を接合させる技術を応用したSiC基盤の製造技術を保有する開発会社であり、これにより高価な単結晶基盤の使用量を削減できることから、SiCの課題である基板コストを、単結晶基盤と同等のデバイス特性を得つつ、低減させることができるようになると言われている。

今回の株式譲渡の実行および合弁の会社により住友金属鉱山と加賀電子は、サイコックスのSiC基板製造技術に住友金属鉱山の基板生産技術を融合させることで、SiC基板の量産検証を促進するほか、加賀電子のエレクトロニクス分野における情報収集力と販売網の活用し、速やかに市場のニーズへの対応力を強化していくことを目指すとしている。