画像認識で商品を把握し、1秒で精算まで行えるレジシステム

ブレインのブースでは、画像認識によって商品を自動識別するPOSレジシステムを紹介していた。

ベーカリー向けの「Bakery Scan」は、画像認識技術によってトレイに乗せたパンの種類を約1秒で判別するというシステム。購入するパンをトレイに乗せてレジに置くだけで、自動で料金の計算まで行ってくれるため、レジ業務のスピードを向上させることが可能だ。

20個体程度を認識させるだけで商品を覚えることができるので、新商品が出た場合でも3分程度の学習で業務を開始できるという。

トレイにパンを置いた状態

読み取りが完了した画面

また、赤外線を使った距離センサーによって、食堂などのメニューを識別する新型のレジシステムも展示していた。新型では、従来必要だったトレイを置くライトボードが不要になり、皿の形状や中身から、ごはんやカツカレー、味噌汁といったメニューを識別して、料金を計算できるようになった。

皿の輪郭をきれいに撮影できなかった場合は、識別内容を表示したディスプレイを指でなぞるだけで修正可能。万が一商品を間違えて認識した場合でも、表示された商品をタッチすると近い候補から順に表示されるので、すぐに修正することができる。

メニューを読み取っている様子

読み取りが完了した画面

「同じ種類の商品で個体差があるもの」と「形は似ているが異なる種類の商品」といった識別の精度も高く、デモではサンドイッチの具材の違いを正確に判断し、小鉢の量を多少変更しても間違えることはなかった。さらに、カツカレーのカツを取れば、カレーと認識することもできた。訂正や清算を繰り返していくことで、ますます賢くなっていくという。

お守りの種類識別にも利用されている

自販機にも対応できるマルチ決済ソリューション

デンソーウェーブでは、参考出展としてQRコードを利用した決済ソリューションの展示を行っていた。

デモでは自動販売機にQRコードを読み取るリーダが取り付けられていた。このソリューションを用いることで、例えば「スマホ上でアンケートに答えるとQRコードが表示され、ジュースがプレゼントされる」といったキャンペーンなどにも対応できるという。

リーダが取り付けられた自販機

リーダ部分。カラー液晶には文字も表示可能

なお、QRコードだけでなく、電子マネーやクレジットカード、社員証などのICカードなど、さまざまな決済方法に1台で対応可能だ。

指先で簡単にバーコードを読み取るワイヤレススキャナ

ウェルコムデザインは、指に取り付けるワイヤレスバーコードスキャナ「ringJAN」を展示。ringJANは、400スキャン/秒の高速スキャンで画面上のバーコードや、低コントラストなバーコードを瞬時に読み取ることができるというアイテムだ。

端末の両側面についたボタンを押すだけでスキャンできるため、左右どちらの手でも作業可能。周囲照度が十分でない状況を自動判別してLED照明の点灯を必要最小限にする方式を採用しているため、Bluetoothに接続した状態で10秒に1回読み取りを行った場合でも、10時間以上使い続けることができるという。

バーコードを読み取る様子

今回、展示会を通じて、特にICタグ関連の進化が目覚ましいことを実感した。倉庫にある在庫から、コンビニに並ぶおにぎりまで、あらゆるモノがネットワーク上に接続される世界が現実になりつつある。"IoT時代"は、もう目前まで迫ってきているのかもしれない。