米アップルは日本時間20日より、iOSの最新バージョン「iOS 11」の提供を開始する。パソコンのようにアプリや書類にアクセスできる「Dock」や「ファイル」アプリが新しく追加されるほか、AR機能対応や写真・カメラへの新機能といった大きなアップデートが含まれる。また、App Storeのデザインが大幅に変更される。

ファイル管理やAR機能などが追加された「iOS 11」

iPadがよりパソコンライクになる「Dock」と「ファイル」

新しく追加される「Dock」アプリでは、macOSと似た操作性でアプリ画面上に表示されるパネルからアプリを切り替えたり、書類を開くことができる。iPadではSplit ViewやSlide Overといった複数アプリの画面表示がより容易になり、マルチタッチでウィンドウ間のドラッグ&ドロップも可能になる。

アプリ切り替えやファイルへのアクセスが容易になる「Dock」アプリ

また「ファイル」アプリでは、iCloudドライブに加えBox、DropBoxといったサードパーティのクラウドストレージにもアクセスが可能。クラウド上のファイル管理が容易になる。iPhoneからも利用が可能だ。

「ファイル」アプリでは各種クラウドストレージのファイル管理が可能に

iPad ProではApple Pencilとの親和性も向上し、ロック画面をApple Pencilでタッチするだけでメモアプリを開けるようになる。

AR対応でよりインタラクティブなゲーム体験

去る6月に開催されたWWDCでは、iOS向けの新たな開発キット「ARKit」が発表された。これによりiOSデバイス向けのARアプリの開発が進んでいる。現実の風景に仮想コンテンツを重ね合わせて表示させることで、インタラクティブなゲームやよりリアルなショッピングが体験できる。

iOSデバイス向けに、様々なARアプリが登場

カメラには新たにポートレートモードを搭載(iPhone X/8 Plus対応)。よりインプレッシブな人物写真の撮影が可能になる。また、Live Photos用に繰り返し再生する「ループ」「バウンス」エフェクト、長時間露光などにも対応する。

App Storeがコンテンツ化

この他にもいくつかのアップデートが含まれる。App Storeのデザインを全面的に刷新。独自の特集記事やアプリ・ゲーム開発者のインタビューなどを掲載する他、パネルのデザインが新しくなり、ステッカーなどへのアクセスがしやすくなる。

App Storeがデザインを刷新。日々楽しめるコンテンツを提供する

Siriのトークがより自然で表情豊かになるよう、イントネーションやピッチ、強度などが調整された。さらにデバイス上の学習機能を使い、利用者に合わせてSafari、メール、メッセージなどの使い方を提案する。

自動車に接続した場合は、動きや接続の状況から運転中であることを感知すると、自動的に通知を無音にし、画面を暗くする。「よく使う項目」に登録されている連絡先や、最近連絡のあった相手には、運転中であることを伝えるメッセージを自動的に通知することができる。

運転状況を感知し、自動的におやすみモードに

iOS 11アップデートの対象となるデバイスは、iPhone 5s以降、iPad Air/Proおよび第5世代以降のiPad、iPad mini 2以降、第6世代以降のiPod touchとなっている。